先日の試合終了直後から、ネットやマスコミでさまざまに語られてきたプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ、内藤大助VS亀田大毅戦について、今日放送のあったTBSの番組「サンデー・ジャポン」「アッコにおまかせ」でどのように紹介されるのか興味を持ってウォッチしていました。
TBSとスポーツ報道という点でいうと、世界陸上などでもありましたが、個人的には大げさに時間を明らかにせず視聴者をつなぎとめるような番組の作り方に以前も苦言を呈していました。今回の亀田一家の問題というのは、勝つためなら何をやっても許されるような事をTBSおよび、いわゆる「亀田応援団」としてテレビに出演していた芸能人が本人を前にして実にしらじらしいコメントでたきつけていて、視聴者の意識と乖離していたという点で、何やら自民党政権と有権者との関係に似ているような気がしていました。今回の試合の結果によって負け戦となったのは当の亀田一家だけでなく、おべんちゃらを言って仕事(テレビ出演など)を得ていた、亀田応援団の芸能人たちも同じだったはずで、そんな中、どのようなコメントを彼らが残すのか、それに注目していたのでした。
結論から言うと、ちょっと状況が変わっただけでよくぞここまで「転向」できるなと(^^;)。前日まで亀田がんばれだったのが、翌日には内藤すばらしいとは、まるっきり自分のテレビでの言動に責任を持って発言してないことを証明してしまった方が多くいらっしゃいました。ただ、こういった方はいざという時には仕事仲間から信用されないでしょう。今から400年前の関が原で、ぎりぎりになって豊臣から徳川に乗り換えた大名たちはことごとく幕府の要所から遠方へ追いやられました。つまり、こういった人はいつまた状況が変わったら寝返るかわからないということです。特に内藤陣営の方々はきちんとオンエアをチェックして、調子のいい一部の芸能人には注意をした方がいいでしょう。
そんな中であえて負け戦の中、腕を伸ばして亀田を押さえたり、執拗にクリンチに行くのはよくないのではないかと内藤チャンピオンに玉砕覚悟で向かっていって見事に玉砕したのが、サンデー・ジャポンの高橋ジョージさんでしたね(^^;)。テレビを見ていた人には見苦しいと苦々しく思っていた方もいらっしゃるかも知れませんが、番組内だけでなく試合当日も試合で国歌を歌ったということで、ある程度当事者として試合に関わった責任感において、あえて生放送の中、内藤チャンピオンにつっかかっていったというのは彼なりの筋を通した行動ではあります。すでにネットなどでは彼に非難が集まっているようですが、自分の発言によりどんな影響が出るかということは十分考えて行動していた事は、彼が質問をした時にきちんとメモを取っていたことでもうかがうことができます。
もう一人、別の意味で亀田家を批判しなかったのがアッコにおまかせに出演していた出川哲郎さんでした。彼の方は何とも歯切れが悪い風で、例の亀田父・兄のセコンドでの暴言は何を言っていたのかわからなかったと言っていました。これもわからなかったというのは詭弁でありますが、この発言も、それだけTBSや亀田一家のおかげで自分にも仕事が回ってきたという正直な義理立てからの発言に他なりません。そうしたふるまいは出川さんの関係者に対する律儀さを思わせますが、これに対しても視聴者は「何言ってんだ出川(^^;)」としか受け取られないでありましょう。
繰り返しになりますが、彼らの発言は、手のひらを返したようにコメントを変えた数々の人たちよりもいくらかマシでした。とにかく今の世の中は勝ち馬に乗って世の中を渡っていけばよいという風潮が強すぎます。マスコミの報道についてもまさにそうです。これだけ批判めいたことを言うのなら、なぜそれ以前から亀田批判の論評をしなかったのか。後出しじゃんけんで、あたかも自分が常に正しいように振舞うことがいかに汚らしいかということを、マスコミを含めた一部の芸能人の方々にはしっかりと認識して欲しいものであります。