Willcom W-ZERO3(WS003SH)

 

W-ZERO3

 たまたま、前機種の契約から10ヶ月経った日が発売日だったこともあり、ネットショップと約30時間の格闘の末(^^;)、発売日と同時に購入することができました。日本初のスマートフォンということでかなりの注目を集めていますが、なんといっても解像度が640×480あり、スライド式のキーボードまで付いているということで、パソコンとの連携によってこれ一台で済んでしまう場面が多くなると思います。ここでは細かな検証までは行ないませんが、入手するまでの準備から使ってみての感想まで一通り紹介していきます。


1.周辺機器をそろえる前に

 今回、ウィルコムは新型のPHSを発売するにあたって、定額で修理ができていた修理アシストが新機種については大幅に縮小されました。ということは、さまざまなトラブルでW-ZERO3が故障・破損した場合にどうするか考えておくということが実は結構重要であったりします。修理アシストの金額が上がるということの他に問題なのは、水漏れ、水没、落下、過失破損による全損扱いとなる修理はアシスト対象外になるということです。

 ということで、故障については保証されないものの、破損や盗難に対応した、PDAやノートパソコン、デジタルカメラにも適用される保険を入れておくことをおすすめしておきます。保険の契約は損害保険会社へ行くということになるのですが、実のところ際めて破損リスクの高い、PDAなどを主の目的として保険を契約することは難しいのです。もしこれを読んでいる皆さんが、損害保険についてかなり様々な契約を持っている場合は、保険会社にとってはいいお客様ということになり、相談すれば加入可能なるかも知れませんが。

 ここではもっと簡単に加入することのできるサービスについて紹介しておきます。クレジットカードのサービスにはいろいろなものがありますが、車のロードサービスの老舗であるJAF(日本自動車連盟)の提供するクレジットカードのうち、カード自体の年会費が3,150円発生するセゾン・アメックスカードを作ることで、自動的に携行品損害保険が付帯されます。こちらのリンクにある説明をごらん下さい。

 JAF自体の会費が4,000円ということで都合、年7,150円掛かるわけですが、これでいざという時にW-ZERO3だけでなく、ノートパソコンやデジタルカメラ、他の携帯電話(PHSを含む)の外出時における(自宅内ではダメ)損害を最大5万円まで(実際は自己負担分が3千円あるので、最大4万7千円まで)補ってくれます。故障については修理アシストを使うとして、とりあえずこれで考えられるトラブルについて回避できるようになると思います。JAFカードということでお車を運転している方以外には利用できないサービスですが、破損や盗難、水没についてその後に不安を持たれている方は検討してみてもいいのではないでしょうか。

 

2.用意しておきたいもの

 

 まず最初に断っておきますが、こうしたPDAと呼ばれているものは、それ単体だけでは完全に使いこなすことはできません。無線LANによってかなり大きなファイルも本体および外部メモリカードにインストールできるので、そこそこ使えてしまいますが、メモリカードの容量もせいぜい1GBが限度でもありますし、データをシンクロしたり、外からのリモートアクセスを利用することで、単体でできる可能性が飛躍的に上がるということは携帯電話の代わりに単体購入した方も心に留めておいていただきたいところです。

 さて、本体以外のものですが、miniSDカードと画面保護シートは本体とは別に購入する必要があり、ケースはとりあえず付属のものを使うとして、あと外部電源をどうするかという感じです。画面保護シートは100円ショップに電子辞書用のものがあります。これなら、貼り損ねてもすぐ代わりが手に入るという面からもおすすめではあります。100円ショップのキャンドウで見付けたのシートは、切って使えば2回分使えるほどの大きさで、2枚も買っておけば何とかなるでしょう。本当は予備の電池も購入しておきたかったのですが、まだそうしたものが揃うまでに時間が掛かりそうなので、外部バッテリーの利用が実用的です。私が用意したのは、単三のニッケル水素電池4本で5.6Vを出す昇圧アダプタ付きの、バッテリーエクステンダー2というものです。そのまま本体とつなげるアダプタプラグも付いているのでこれ以上何も買わなくてもいいというのも気に入っています。リナックスザウルスでも動作報告があるようなので、深刻なトラブルもないと思いますし。単三型の充電池はどこでも安く手に入り、別の用途への転用が可能ですから、個人的にはおすすめの一品です。ただ、高容量のニッケル水素電池を使わないと、すぐに容量を使い切ってしまいますので、これから購入される際は高容量のニッケル水素電池にしておいた方が無難です。なお、別に携帯電話用のコードや、ミニBのUSBコードを用意しておくと、携帯電話やウィルコムの別の電話機もこれで充電できるので便利です。

 

3.使用感、導入したソフトなど

 

 で、いろいろ触ってみたのですが、本体に入っている標準のソフトだけでは少々使いづらいと感じることがあります。載っているOSは立ち上げたソフトがメモリに残ったままになってしまうので、いちいち設定からメモリを選び、ソフトを終了させたり、改めてハードリセットを掛けるのは実に手間がかかります。特にハードリセットをするためには、電池の入っている蓋を開けなければならず、かなりめんどくさいので、ソフトリセットがメニューからできるGSPocketMagic++というソフトを導入しました。また、標準のファイラー(ファイル エクスプローラー)が使いづらいので、こちらもGSFinderというソフトを導入してあります。あとは基本ですが、ウィルコム公式から配布されているブラウザのOpera(640×480での表示が可能になるインターネットブラウザ)やちず丸 for WILLCOM(本体の位置情報を使い、自分のいる場所付近の地図をネットからダウンロードできるので、簡易GPSとして利用できる)は入れておきましょう。あと、私の使い方では何とかしてリモートデスクトップをやりたいと思っていたのですが、こちらも何とか動くものがネット上でゲットできますので、興味のある方は導入を考えられてもいいのではないかと思います。あとはお好みで、辞書ソフト(データは自分で入手が前提)、動画ソフト(無線を利用してネット上のファイルをストリーミング再生も可能)なども入れると面白いかも知れません。詳しくは、まとめサイトの方に詳しい解説があります。それぞれのソフトについては、不具合が出るものもあるようですがご自身で十分吟味の上、導入されることをおすすめします。

 サイズ的にはほとんど今まで使っていたVisorと変わりませんが、さすがにキーボードを内蔵しているだけあって、ちょっと厚いです。しかし、重さというのはそれほど感じられず、長く使っていても予想以上に大変さはありませんでした。キーボードは慣れれば高速での入力も可能でしょうが、長文を打つには厳しい事は確かです。個人的には長文はモバイルギアかシグマリオン3で代用しようと思っているので、データ移管用にそれほど大きくないMiniSDカードがあると便利でしょう。たまたまウィルコムの方でバージョンアップ用にと、MiniSDカードに入ったアップデータファイルを送ってきてくれました。これは最初に買った人のみのサービスだと思いますが、個人的にはいいクリスマスプレゼントでした(^^)。データ移管の方法として、私の場合はコンパクトフラッシュのアダプタやMiniSDカードも直接扱えるUSBアダプタがありますが、これもSDカードスロットがある機器とやりとりをするならばいりませんし、人それぞれだと思います。

 できればMiniSDではなくSDカードにしてくれればよかったということはありますが、本体にソフトを導入する際には無線LAN接続からすることでほぼいろんな事ができますし、ちょっとしたファイルのやりとりなら、パソコンとケーブル接続で同期することでできますから本体のカードを取り出す頻度は少なくなるでしょう。個人的に動画も音楽も積極的に使うつもりはなく、もしそういう用途が出てくればリモート接続で何とかするか、PSPでも買おうと思っていますので、大容量のMiniSDカードを買うつもりはありません。ただ辞書を複数入れてさまざまなデータを入れるということになると、128MBではちょっと少ないという印象があります。カード自体も安いものではありませんし、購入の際はメモリカードとセットで考えていた方が無難でしょう。

 現在、ようやく使い始めて10日過ぎましたが、元々電話として使うことはほとんどないので、着信のトラブルなどの影響は受けていません。そうなら通話機能のないPDAでも十分だと思われるかも知れませんが、私の場合もう一台ある契約は定額コースにしているので、そちらからW-ZERO3という一方通行ながら擬似トランシーバーとして使えるというメリットがあります。更に、今後の展開如何によっては、PHS端末としてではなく、無線IP電話の端末として普通に利用できるようになるかも知れません。世の中はそんな感じで動いているという気もするので、今後の動向が楽しみでもあります。現在品薄で興味を持ちながら手にされていない方も多いと思いますが、あわててオークションに手を出して定価以上のお金をつぎ込むよりも、まだリモートデスクトップの導入をされていない方はそうした設定をするなり、無線LAN導入がまだなら安いセットを購入するとか、そういう方に予算を回しながらじっくり待たれるのがいいかと思います。ソフト的にはかなりそろってきたような気はしますが、私が本命のメール・エディタとして使いたいと思っているビレッジ・センターのPWZエディタはまだ未対応ですし、格安の電池もまだ出てきていません。最初に書いた携行品損害保険の付いたクレジットカードも即時発行はできませんので、落ち着いて準備をされることをおすすめしておきます。(2005.12.24)

 


 

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