第二芸術論について
1947(昭和22)年12月30日発行『詩学』に発表。
第二芸術とは、第二次産業のようなものなのでしょうか。私も桑原武夫氏の論文を読んでいないからその辺のことはあんまりわからないのですが、現代の芸術家の活躍を見ていると、そうしてわざわざ芸術の垣根を作ること自体がナンセンスだということがわかります。特に作家なんていうのは、文学専門店のような人よりも、既に何かで名を成した人たちの方が世間的な受けもいいし、第一評価を得ていますものね。詩人どころか音楽家が小説を書く時代です。そんなわけで安吾はひどく真っ当なことを書いているという感じしか受けないのですが、当時というかその昔の日本では細かいところに更に細かく分け、権威付けることで、少数の人々の権利を守ろうなんて事をやっていたんでしょうね。そういう姑息なことをやっているから、今外国の黒船が襲来し、そのつけを払わされているのでしょう。安吾の声に耳を貸さなかった人たちには十分こうした安吾の言葉をかみしめてもらいたいですね。(99.11.10)
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