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この先ジャズはどうなるの?

 年賀状の返事が今ごろきました(^^)。といっても、これは毎年のことで、春になると個人的に楽しみにしていることの一つです。知り合いというのもおこがましいのですが、私のページにもリンクを貼っていただいている、ジャズ・プレーヤーでライブハウス経営、オカリナの製作販売や独自レーベルを展開中の明田川荘之(あけたがわ・しょうじ)さんから年に一度の営業案内が来るのです。ちなみに、そのホームページはこちらです。

http://www.aketa.org

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 今の時代、ジャズ・ライブハウスの経営というのは大変です。たまたま今日、昼の映画で小林旭主演のものをやっていましたが、その時代というのはジャズ喫茶でライブが行なわれ、数多くのバンドが活躍し、ジャズを聴きに多くの人たちが来ていたのでした。今はそんな状況にないことはおわかりと思います。多くのミュージシャンはスタジオミュージシャンや有名歌手のバックバンド、そうでない場合はフリーターと同じようなバイトで生活の糧を得ている場合もあるといいます。明田川さんの場合は、お父さんの明田川孝さんが製法特許をとった(オカリナは土を焼いて作るため、同じ音を出す製品を一度に多く作るためには、特別な製法があるとのこと)土笛のオカリナの製造販売の利益があるからこそ、さまざまな活動ができるのかと思いますが、あくまでミュージシャンの意欲によって支えられている今の日本のジャズ界というのは瀕死の重傷である事をもっと私たちは知る必要があるでしょう(明田川さんの会社では、消費税を納める売上額の上限が下げられた事により、かなり大変になっているそうです)。興味がおありの方はぜひ生でのライブへ行ってみてください。日本のジャズというのは、国内よりもむしろ海外で受けたりすることがあるので、テレビから流れている音楽に慣れた耳にはちょっと刺激的かも知れませんが、はまれば病みつきになるかも知れません。

 ただ、話はジャズだけの問題ではありません。多くのミュージシャンや芸術家は、全く公的な補助を得ることなく、高いレベルの芸術性を維持しているものの、その存続は全く個人(芸術家本人やサポートする人たち)の力によってのみ支えられているという現実も、改めて訴えたいと思います。行政とうまくパートナーシップを取ってやっている人たちもいますが、ちょっと考えてみると、交渉事の上手な芸術家というのはそんなに魅力があるのかなと思ってみたりもします。むしろさまざまな芸術について、継続的に支援するプログラムがないと、劇団四季のようなところだけが残って、テント公演や小劇場のようなパフォーマンス文化はどんどんすたれていってしまったり、音楽ではポピュラーミュージックを除けば、クラシックの交響楽団のような敷居の高い音楽だけが残るというような可能性が高いのではないでしょうか。殺伐とした世の中になればなるほど、音楽や演劇など、見たり聴いたりして楽しめる文化というのは必要になってくると思うのですが。

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