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太田光の私が総理大臣になったら

 4月のテレビ番組改変でゴールデンタイムの生放送が増え、今回紹介する「太田総理」も生放送という触れ込みでした。しかし、本日放送のメインテーマ「国がポイントカードを発行し、たまったらポイント還元します」については全くの録画でありました。まあ、いろんな話を生放送の中でまとめる事自体に無理があるのだとしても、根本的な考察が欠けていたように思います。続き

 日本経済を活性化するため、消費を拡大するためにポイントカードが全ての買い物において使えれば、それだけで人々の消費意欲が湧くのだと太田氏は説明していますが、まずは、やみくもに消費する社会というのがいい社会なのかどうかしっかりと検討すべきではないかと思います。私はむしろ、できるだけロスをなくしながら循環させることで資源のないこの国が生き残っていく道があると思っているので、何でもかんでも消費拡大と叫ぶ事にまず違和感を覚えました。

 さらに番組内のコメンテーターの誰もがVTRの中で誰も問題提起しませんでしたが(されていてもカットされた可能性もありますが)、ICチップ付きのカードを配り、消費したポイントで税金が払えるようにするということは、そのポイントカードを使った人の消費動向が全て国に把握され、それら蓄積されたデータの扱いをどうするのかという問題があります。たまたま本日、国内大手証券会社のデータを名簿屋に売った輩がいて、情報を漏らされた顧客に不動産、先物取引などの勧誘電話などが頻繁にかかり、多大な迷惑を与えたというニュースがありました。国に自分の消費データが管理されるということは、単なる買い物だけではなく、いつ病院に行ったのかとかなど、かなり個人的な情報であっても「ポイントがたまるから」という理由でカードを使えば国に知られてしまうということになります。

 そういう意味で言えば、政府側としては一刻も早くこの「国によるポイントカード」を発行したいと思うことでしょう。金持ちで後ろ暗いお金を使っている人たちは上記の理由から決してポイントカードを使って買い物はしないでしょうが、日々の生活にも窮する人たちは少しでも家計の助けになればと日常生活の中でのほとんどの消費にポイントカードを何の疑問も持たずに使う人が増えるでしょう。すると国はかなり正確に国民の消費から所得を割り出すことができますから、税金に関するごまかしも効かなくなってしまうでしょうね。

 ポイントに関することでもう一つ指摘しておきたい事があります。航空会社のマイレージでも、家電量販店のポイントでも、ポイント=現金ではありません。現金は1円単位でいつでも使うことができますが、ポイントは使う場所にも数量にもかなり大きな制限があります。ポイントを得たいがために高い買い物をするのが果たしていいお金の使い方と言えるのかどうか。ちなみに、多くのポイントカードでは、ポイントを使っての買い物についてはポイントは付きません。某家電量販店の電子マネー付カードでは、店での買い物を全て電子マネーでし、そこで付いたポイントを即座に電子マネーに移行するという技でポイント利用時のロスを0にする方法があるのですが、これはあくまで稀有な例でしょう。一般的には現金で買うと付くポイントよりも、ポイント分値引きをしてもらい、その値引き分を別に貯めておいた方がよっぽどお得感は高いのです。

 もしまかりまちがって、国がポイントカードを作るなんてことになったら、皆さんは喜んで導入されるでしょうか。うまい話には裏があるのではないかと疑う事も大事だと私は思うのですが。

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