99年11月
- 21世紀プロジェクト生命38億年スペシャル『人間とは何だ!?
2』(TBS・99.11.27)
最初から見ていたわけではなく、その後のサッカーのニュースを是非見たかったので合わせただけだったのですが、この番組のオーラスはリンクの部屋で紹介している稚内在住の平間 愛さんが紹介されていました。彼女のホームページにお邪魔して、この8月14日に海を久しぶりに見に行ったという様子が紹介されていたのですが、まさかその姿をブラウン管から見ることができるとは思いませんでした。
それにしても彼女が凄いと思うのは、前回のテレビ出演も今回のものも、一切自分のホームページで紹介していないこと。ここら辺は彼女の美意識の現れだと思うのですが、テレビに映し出される自分と普段生活をしている自分とはかなり違いますものね。番組の作りとしてはよくあるお涙ちょうだいのようなものになっていましたし、全てを映し出すわけでは決してないブラウン管の向こうの自分に、自分でないような感じを感じているのかもしれないなと思ったりしました。
前にも同じようなことを書いた気がするんですけど、本当は特別にスペシャル版のテレビで紹介するのではなしに、日常の中で多くの人とコミュニケーションを取れるような社会になればいいんですよね。自由に動ける足を持っていたとしてもこの日本すら全ての場所を回ることは不可能だし、一度も会わないで終わってしまう出会いだってある。少なくとも私は愛さんに対して一方的にではありますが(というか、彼女はいろんな方からメールをもらうことが予想されるので)、特別視などしないでメールを出しています。インターネットの普及が、愛さんだけではなくもっと多くの報道されない生活に不自由を感じている人にとって福音となりますように。
- NHKスペシャル『イスラム潮流(1)』(NHK総合・99.11.14)
メッカの大巡礼の様子は壮大なドラマでありますね。世界各地に信者を持つイスラム教のことを皆さんはどれくらい知っておられるでしょうか。以前、岩波文庫になっている『コーラン』を読んだことがあるのですが、実に事細かに神からの言葉が書かれていてびっくりした記憶があります。イスラム諸国が共通の敵として認識するアメリカでも、近年イスラム教の信者が増え続けているとか。そうなると、未だに宗教を身近なものとしてとらえられない日本という国が今後どうなってしまうのか心配になってきます。もしかしたら、リストラされ、失業し、競争社会から取り残された人たちはイスラムに走り、イスラム主義革命に走ることだってあるかもしれませんよ。
この番組は今日が初回で4回のシリーズだそうですから、継続して見たいと思っているのです。ある意味で世界を席巻していると言える、イスラム教入門としてはいいものかもしれません。
- 11PM(日本テレビ・99.11.11)
はっきり言うと、最後の三分間だけ興味深く見ました。せっかく復活してそれなりのテレビに対する主張をするチャンスだと思ったのに、結局お決まりの過去の映像を流すことに終始していたのはどうも解せないです。そんなのは、スペシャルの懐かしの名場面なんて言う番組でやればいいんだし、はっきり言って最後に少しあった『おとなの主張』を全面的にやって欲しかった。
あと見ていていらいらしたのは、メインホストを歴代の司会者に任せるのではなく、局アナの福沢朗アナ・爆笑問題に担当させたこと。見ている方としては『今』の爆笑問題の漫談を聞きたいわけではない。そこら辺はデリカシーの問題で、こんな事をやらせた番組のプロデューサーは何を考えているのか、全くわからない。
もしかしたら、大阪の顔だった作家の藤本義一氏が遅れてきたことに起因しているのかもしれない。しかし、あの同窓会的ノリは見ている方としては全くつまらないのですよ。しかし、もう番組は終わってしまいました。この番組が果たした役割というのを考える間もなく終わってしまった今、これ以上何も言うことはないです。せいぜい過去の出演者同士で旧交を温めてください。
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