99年9月
- 夜明け前の広場(NHK総合・99.9.15)
何というか番組内番組宣伝みたいな手前味噌的な番組でした(^^;)。テレビでなくラジオで毎日放送している『ラジオ深夜便』。この放送を聞いて手紙を書く人は60歳以上の人が圧倒的だそうですから、敬老の日に送る番組としては妥当なのかも知れません。
確かに、この番組のおかげで孤独を感じたまま自殺するようなお年寄りが救われている様な気がします。今までも深夜放送はやっていたのですが、何が何だかわからないような音楽としゃべりしかしてませんからねえ。で、一番人気があるコーナーが夜中の3時台に放送されている日本の歌心の歌と言うコーナー。昔懐かしい流行歌の数々を毎夜流しているのですが、 こうした歌を聴いて昔のことを生き生きと思い出すんだとか。
孤独で淋しいお年寄りたちの生活を追い、そこに一曲の歌を重ねる。『逢いたい』と言う言葉だけで作られたというこの歌の作詞者は永六輔(敬称略)なんだって(^^;)。まあ、それはそれでいいんですけど、最初に書いたとおりラジオ深夜便の宣伝放送のような演出の仕方はやめてほしかったです。この作りだとまだ番組を知らないお年寄りにはいいけれど、もう一歩踏み込んで深夜ラジオ放送を聞かずにいられない人たちの心情に踏み込んでみてもよかったような。特に私の世代を含めた若い世代にとっては将来にとって深刻な問題になっていきそうな気がしますからね。だってもうそろそろ、流行歌の洗礼を受けずに年を重ねる世代が出てくるから、同世代同士で思い出となる歌がないなんていう状況もすぐそこです。個人主義で最後まで生を全うできるだけの気合いを持って生きている人はいいと思うのですが、そんなに人間は強くないし、今いきがっている人ほど後でどつぼにはまりそうな気がするのです。一体そういう人は何で寂しさを紛らわすのでしょうね。
- BSプロ野球中継(NHKBS1・99.9.9)
先日の世界陸上で、女子マラソンの実況には様々な意見が出ているようですね。そんなことよりも私は、独占放送と大々的に宣伝しておいてゴールデンタイムに番組をもってこようとマラソンの中継を生で放送しなかったTBSの視聴者を莫迦にしたやり方には一言言いたいですけどね。古館さんに頼んだと言うことで、競輪のような何が何やらわからない中継になることは目に見えていたのですが、今のテレビは音声多重で放送できるのですから、あえて何も開設も実況もいれないで、沿道の音と選手の息づかいをマイクに通して副音声でやってもよかったのではと思います。というのも、このプロ野球中継の副音声が解説なし、球場の音声だけで、それがとても良かったものですから。
もう少し言いますと、ハイビジョンとか高品位テレビの技術が進歩すると別段アップにしなくてもその端々の様子が高品位に映るのですから、定点にカメラを構えたままでいいスポーツも存在するはずです。サッカーの場合はまさにそうで、今のボールを追いかけるような中継の仕方よりも、ボールをもってない選手の動きまで見られる定点カメラの映像の方を待ち望んでいる人も多いと思います。あと、試合の結果より、ある選手一人だけを追いかけたいなんて場合もありますね。サッカーでも野球でも、つまらない試合の経過に振り回されるよりも実に面白かったりもするのですから、こうした試みにもつながっていってくれればなあと思ったりもします。本当に解説のない、臨場感溢れる野球の中継というのはいいものですよ。今月は衛星放送の副音声はことごとく解説なしだそうですから、興味を持たれた方は是非副音声で聴いてみてくださいね。
- ワイドスクランブル(テレビ朝日・99.9.8)
お昼の突然のニュース速報で、何かと思ったら、突然の東京・池袋での通り魔事件。犠牲者の方には同情を禁じ得ないし、犯人の行動には非常に憤りを感じます。その上で思ったことなのですが、この犯人の出身地から東京で勤めていた場所など、プライベートに関することが事件から1時間ちょっとで出てきたのにもまたまたビックリしました。まあ、そういうことはないでしょうが(^^;)、私が何か事件を起こしたりしたらすぐさまそのプライベートはマスコミによって暴かれ、このページも分析されてしまうのかなと考えるとちょっと恐ろしくもあります。ですからみなさん、悪いことはやるもんじゃないです。まあ、プライベートぐらい暴かれてもいっこうに構わないと言うのなら構わないのですが。
ただ、犯罪というのは冤罪と言うこともあるわけで、普通の人のプライベートがあれだけ早く放送される状態になってしまうということがわかったことで、つくづく個人情報の流出に気をつけなければという気持ちを新たにしました。一番悪いのが、今はやりの懸賞応募なんですよね(^^;)。『なすび』の懸賞生活に乗せられて葉書を書いた方はどれくらいいるのでしょう。葉書に住所氏名電話番号を書くということは、誰に見られるかわからないということですね。テレビの特番で『懸賞女王』なんて若い女の人が出てきたのを見たことがありますが、どこかのテレビ局で彼女が受けたであろう負の影響に対するインタビューなんてやってくれないかしらん(^^)。
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