99年7月
- テレビ体操(99.7.31・NHK総合)
しかし、改めてみていると不思議な番組ですね。多くの人は3人のお嬢さんの体操に合わせて同じように体操しているのでしょうが、今日の私は惰性で番組を見ていたせいか、体を動かすこともなくぼけーっとして見てました。考えてみると、これじゃあ危ない奴ですね(^^;)。
さて、わざわざ一項目を設けてこの番組について書いたのは他でもありません。一番左のお嬢さんが可愛いとか、そういうことでもありません(^^;)。体操をやっている最中に字幕が出てきて、この10月からラジオ体操第一・第二の他にもう一つ緩やかで年齢を問わずできる体操を放送するとのこと。ついてはこの体操の名前を募集するとあったのですよ。しかし、結局その体操は番組では紹介されませんでした。どんな体操かわからないで、名前だけを募集されてもなあと思ったわけですが、どこかでこの体操は紹介されているのでしょうかねえ。簡単に『ラジオ体操第三』じゃ行けないのかしらん。それにしても、その新しい体操というのを何とかして見てみたいなあ。夏の全国ラジオ体操巡回でやっているのでしょうか(^^)。
- N響アワー『メロディを探せ』(99.7.18・NHK教育)
昨年の今頃はフジテレビのテレビ夢列島(要するに27時間テレビのこと(^^;))を書いていたような気がするのですが、この手の番組はどうしてかジャニーズ事務所の所属タレントに席巻されていて、私の目から見るとマンネリの感を得ませんでした。確かに彼らは面白いんだけど、あまりに出過ぎるとインフレというか、そんな感じになってしまうのではないでしょうか。だからフジテレビの壮大なフィナーレを見る気がせずに、ゆっくりと落ち着いて見ることができる教育テレビにチャンネルを合わせてしまったというわけです。
そしたら、今回は私のような素人にもわかりやすいメロディに注目したプログラムになっていました。メロディといえばモーツァルトということで、それも紹介されていましたし、スメタナの『わが祖国』から『モルダウ』なんてやっていましたが、ブラームスの演奏する側に緊張させて音の微妙な表情を表現させるという、計算されたメロディの解説はなかなか面白かったです。ただ聞き易いということではなく、演奏者(あるいは歌手)の間での違いがはっきりわかった方が聞く方には面白いですものね。それと、ブルックナーを例に挙げ、音をブロックごとに細かく作り、そのブロックを組み合わせることによって荘厳なものにしていく手法を紹介したり(もっとわかりやすい例を挙げると、ベートーベンの運命のテーマはこの手法だそう)、解説を聞きながらクラシックを聴くとなかなか面白いものがあると再発見しました。しかしクラシックは一定のファンがいて、社会的に認知されているからこんな番組が成り立つのですよね。本当はジャズでもこんな番組があるとファンも増えるかと思うのですが、テレビ放送のデジタル化でチャンネルが増えるのを機に、どこかでやってくれないかしらん。
- ETV特集『愛ちゃんのメル友闘病記』(99.7.12・NHK教育)
私もこうしてホームページを開いていろいろやっているんですが、ネットでの出会いというのは場所と時間を選びません。相手が若かろうが男だろうが女だろうが、実際に会ったりすることはほとんどないのだから関係ないのですよね。まあ、たまには実際に会うこともあるのでしょうけど、そうでない人がほとんどで、だからこそ気軽に自由にできるというわけで。そういう意味では、現実の世界でコンプレックスを持っているような場合でも、すんなりと大海にこぎ出ていけるのはインターネットを使ったメールでのコミュニケーションの画期的なところだと思います。
今回番組で紹介された稚内市在住の平間愛(24)さん。彼女はベッドから動くこともできませんが、Xjapanのhideさんにメールを送り、その返信が帰ってきたことによりメールにはまってしまい、ポストペットを使って友達とのメール交換を楽しんでいる様子。番組の意図としては、障害を持っていてもけなげに頑張っているという様子を出したかったんだろうけど、実際問題としてメールだけで会わない人なんて沢山いるわけだし、インターネットの世界では特別視する必要は一切ないのではないかな。そういう意味では愛ちゃんの回りにいて、テレビに出てきた多くのメールフレンドよりも、まったく愛ちゃんのことを知らない、さらに言うとこの番組での愛ちゃんの姿を見ていない人の方が先入観なしにいい友達になれるのではないでしょうか。確かに彼女の存在を多くの人に知らせるのに、テレビはいい手段ではあるのですが、こうやって有名になるのは彼女にとっていいのか悪いのか。彼女の真意ははっきり言ってテレビの画面からは決して見えては来ないのではと考えるわたしはひねくれているのでしょうか。こうしてああだこうだ考えてみるより、まずは彼女のホームページに行ってメールを出してみるのが一番だろうと思いましたね。
- 日本映像の20世紀『沖縄県』(99.7.10・NHK教育)
映像というのは貴重なものです。私など物心付いたときからテレビがありましたから、映像が動くことに驚きはありませんが、映像を見せつけられるとついこの間のように感じてしまうわけです。
沖縄を映した一番古いものは1935(昭和10)年頃のものだそうです。そこには軽便鉄道が走っていました。そして戦場の生々しい映像も現在紛争が続いている各国の地域のように私の前に飛び込んできます。古い昔から収奪され続けてきた沖縄の人たちの様子が痛ましくも目に入ってきます。
アメリカ軍が駐留してからというもの、住み慣れた家を取り上げられた住民の運動を多くの人に知らせるため、写真やフィルムが威力を発揮します。それだけではなく、今回のように長い年月を越えて生きてくるというのも興味深いものです。番組自体は事実を淡々と紹介するだけのものでしたが、逆に色々考えることが多かったような気がします。占領後、輸入品が安く入ってきて、基幹産業として米軍基地での労働がある。その後も出稼ぎが増え、製造業が極端に少ないという沖縄の特殊性。私たちと共生していくのには何が必要なのか、自分の中でも徐々に考えていきたいという気持ちを更に強くした次第です。
- ニッポンときめき歴史館(99.7.6・NHK総合)
江戸時代の天文ブームという副題が付いていたので、興味を持ってチャンネルを合わせてしまいました。徳川吉宗が天文好きとは知らなかったですね。享保の改革とともに改暦を行うことにし、積極的に西洋天文学を導入したという。しかし、吉宗自身の死去によって新しい暦は挫折され、死後に編纂されたものは西洋天文学の色はほとんどなかったそうです。もう少し吉宗が長生きしていたらどうなったのか、興味は尽きないところです。
この番組の特徴は、当時の資料を復元したりそのものを借りてきたりして、実物を見せてくれるということがあります。めくらこよみとも言われる『絵暦』は字の読めない人のために判じ物になっていて、もう少ししっかりと見たいと思いましたね。それにしても江戸時代に惑星の観測をして、ケプラーの学説を理解していた人がいたなんてびっくりです(^^)。今の日本は世界に名だたるアマチュア天文家の宝庫ですが、この時代から日本人は天体観測や天文学の勉強が好きだったということですね。
江戸時代後期になると、当時の世界最高水準とも言われる反射式望遠鏡を自作する国友藤兵衛という鍛冶屋さんが現れたりして、土星の輪と衛星を図面に起こしているのには私の歴史観が変わってしまいました。番組では『テレスコップ』と呼んだ、その反射望遠鏡の実物も登場していました。倍率は50倍ぐらいまでかけられたそうですが、すごいものを見させていただきました。あくまで画面の向こうの本物でしかないわけですが、歴史物に限らずもっとテレビでは本物を見せていただきたいですね。
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