98年11月
- 青春探検(NHK総合・98.11.26)
若い奴(と言っても二十代まで(^^;))のいろんな生き方を紹介するシリーズですが、今回は四国の遍路道を徒歩で回る若い人を追いかけていました。実は私もスタンプラリー感覚でお寺巡りをしたことがあります。残念ながらなかなか四国まで出かける時間がないので、遍路も途中でストップしています。しかし、私の場合はまるまる車で一日何カ所も回るというもの。歩くなんていうのには全く考えが及ばない若い時代でありました(^^;)。ですから、ああやって歩いている人を見ると、すごく憧れてしまうのですね。でも、なかなか休みを取れないし、歩いて回るには二ヶ月ぐらいかかり、最後に高野山まで行かなくてはならないのですから現状ではほとんど無理でしょう。でも、車でも何でもいいから、八十八カ所は全部回ってみたいものです。番組では複数の若者を追いかけたため、それぞれに突っ込んだ話が聞けなかったのが不満でしたが、なあに、実際に旅に出て宿坊に泊まったり、ユースホステルに泊まったら、そんな話もできるでしょう。それにつけても、長い休みが取れる身分がうらやましい今日この頃でありました。
- バスケット日本リーグ女子「シャンソン化粧品対ジャパンエナジー」
(NHK衛星第一・98.11.23)
今月の月初めに書きましたが、ついに日本女子バスケットボールの頂上対決となりました。この連休で三試合やってしまうという(二勝した方が優勝)強行スケジュールです。第一戦は、シャンソンの地元静岡で行われ、一点差でジャパンエナジーの勝ち。しかし、第二戦は逆に東京で行われたものの、シャンソンが一点差で勝ちました。はっきり言って、ここで勝負が決まっていたのではないかと思います。ジャパンエナジーのキム監督は、勝つためなら何でもするという考え方を持っている人だと私は思っているんですが、二連勝するしかなかったんです。というのも、レギュラーと控えとの力の差がありすぎるんです。しかも、ものすごい練習量をこなすということで、選手の疲労はピークに来ていたのではと想像します。バスケットの試合というのは、常に走っていなければならず、現在開催されているバレーボールに比べても、ハードなスポーツでありますから、持久戦の様相を呈した最終戦は、ジャパンエナジーの選手は生も根も尽き果てたという感じでした。結果はシャンソンの圧勝。まあこの結果は順当ですが、一発勝負だったらジャパンエナジーの勝ちでしょう。事実一発勝負の全日本選手権は過去の対戦でジャパンエナジーが勝っていますからね。ジャパンエナジーの選手は、この強行日程を恨んでいるでしょう。しかし、テレビの中継があったり、多くの人たちが見に来てくれるためには、ある程度の強行日程も仕方ないでしょう。そのことをジャパンエナジーに比べるとポジティブに捉えているシャンソンがリーグ9連覇を達成しました。しかし、まだまだ女子のバスケットというと、メジャーなスポーツとは言いづらいのですね。Jリーグだけでなく、他の企業スポーツも不況の影響を受ける今日この頃ですが、男子より世界に近い女子のバスケには期待をしています。次回のオリンピックでは結構注目されるようになるのではないでしょうか。
- アメリカ横断ウルトラクイズ(日本テレビ・98.11.22、23)
六年ぶりの復活なんだそうですね。普通の人だけで番組を作っても人気番組ができるという画期的な番組だったような気がしますね。現実が一番のドラマという感じが昔したのですが、これももしかしたらやらせがあるのかななんて考えてしまうのですから、歳月の流れは怖ろしいものです。クイズの内容が変わっているのは、番組の作りとして当然変えなくてはならないでしょうが、びっくりしたのは、番組収録時からちゃんとしたスポンサーが付いていたのですよ。カメラクルーは日本テレビのスタッフTシャツではなくて、大きなスポンサー名の入ったものを着てるし、視聴者からのプレゼントもそのスポンサーからだし。
はっきり言って、番組の一社提供が成り立たなくなった今、ウルトラクイズを復活させるにもスポンサーの力というのが必要なのですね。さてさて、それでは内容についても一言書いておきましょうか。グァムでのおみやげタイムが20分で、集合時間に遅刻すると大きく損をするクイズというのがありまして、遅れてきたのは予想通り大学生男子だったのです(^^)。時は金なりとは言っても、なかなか厳しいものがありますね。画面の向こうで、多くの年輩者が溜飲を下げるのが目に浮かぶ、スタッフにとってはしてやったりという問題の出し方ではなかったでしょうか。今回は特に高齢者に優しい部分というのが見て取れました。しかし、明日はどうなるのか。まあ、急に何かが入らなければ、明日も見てみようとは思っているのですが。
さて、後半です。実は、サッカーのライブを見ていたので、前半部分は見ていなかったのですが、昨日の悪い予感が現実のものとなってしまいました。決勝戦を生中継するというのが今年の売りみたいでしたが、最悪結果が伝えられない場合があります。しかもこれはサッカーのようにスポーツではないので(^^;)、後のニュースで報道するような場合もあるのかなんて思って見ていましたが、何とか放送時間内に収まりました。しかし、単に収まったと言うだけで、その後は例の車のディーラーが提供するプレゼントのお知らせを伝えるのに精一杯で、本来ならば十分伝えるべき勝者と敗者の表情が全く伝わってきませんでした。企画倒れと言うべきかスポンサーの意向なのか。最後にちらっと出た中継先で福留アナウンサーの「終わりだよ」という乾いた声が今回のウルトラクイズを象徴しているようでしたね。
ウルトラクイズの面白いところは、単なるクイズの実力だけでは勝ち抜けない部分にあります。優勝した小川君は立命館大学のクイズ研究部という本命中の本命ですが、同じサークルの中では、彼よりも実力が同じか優れている人が必ずいたはずです。実力だけで言えば、以前TBSの巨泉さんの番組に出ていた『クイズ王西村(^^;)』さんなどはすごい。でも彼は予選会に出ていたのでしょうか。まず、一次予選から二次予選、成田の飛行機に乗ってしまえば確実に勝っていけるでしょうが、その部分で落とされてしまうでしょう。逆に何かの間違いで残ってしまう強運の持ち主も存在する。そうした人間の姿を伝えていくことで、単なるクイズ番組とは違う部分を出そうとしていた。まあ、ああした部分が嫌いな人もいるでしょうから、あそこでの勝者が実力一とは言えないですが。
個人的にはあれはクイズに名を借りた、福留教祖の洗脳番組という側面もあると思っているのですが、勝ち残ったのがほとんど従順に言うことを聞く若い奴だったというのも面白い。高齢者の方を残して最初はバラエティに富んでいる印象を抱かせたものの、結局は体力もあり従順な若者だけが残りました。若者よ、俺はこれから国政選挙にうって出るかも知れない。その時は、東京ドームを埋めたクイズ参加者たちよ、21世紀の未来のために投票しておくれよ、なんて裏読みのしすぎですかね(^^;)。
- 元祖 混浴露天風呂殺人事件(大阪朝日放送・98.11.21)
これは、何と言っても今の日本のテレビで一番不思議なドラマです。サスペンス劇場なのだから、その種のサスペンスドラマかというと、そうではないんですね。謎解きなんてハナから問題にしていないらしくて、ストーリーも単純きわまっています。基本は、全国津々浦々の温泉紹介と、露天風呂に浸かる上半身裸の若い女性を何度も見せるというお色気(この言葉も古いね(^^;))を無理矢理サスペンスドラマに当てはめたという感じがぴったりときてしまうんです。これはさすがに、東京のテレビ局は馬鹿馬鹿しくて作るわけがないでしょうなあ(^^)。やはり大阪ならではの面白さというわけ。
はっきり言って、これは温泉オタクのための番組なんですね。ここのお風呂はよかったとか、そんな話を一緒に見ている人とすればいいんであります。しかし、今回は私もびっくりするような大どんでん返しが待ち受けていました。最後に主人公たちが立ち寄った温泉宿に、なんとその筋では超有名な我が国の温泉博士、美坂哲男さんが特別出演されていたのです。ここまでくると、もうサスペンスはどうでもいいから、もっと突っ込んだ温泉レポートをやってくれてもいいような気がします。しかし、出る方も出る方ですよね(^^;)。こういうものを見てしまうと、これがテレビの面白さだとも言えるわけなんですが。
- とんねるずの生でダラダラいかせて(日本テレビ・98.11.18)
前の週から引き続き、沖縄アクターズスクールへレギュラーメンバーが入門して、東京でのコンサート目指して頑張るという内容。スクールの生徒たちは実に平均年齢が低くて、最年少は10歳。17歳なんていったらもうベテランの貫禄が漂うというものすごい世界。でも、若いからといって未来が約束されているわけではない。テレビに出ているメンバーの影にはそれ以上の「有名になりたい」少女たちがごまんといるのだ。彼女らは確かにリズム感もよく、踊りの技術はすごい。しかし、それだけではステージはつとまらないと言うのも事実だ。コンサートでも綿密に打ち合わせがあって、それに乗っ取っていくことによってお客さんが楽しめるのであって、彼女らが真のエンターティナーになれるかというとはなはだ疑問だ。もちろん、誰かのコンサートでバックダンサーになるならいいんですが。
今回の企画は、まさに番組のレギュラーメンバーの引き立て役としての出演に過ぎないわけだが、彼女らの表情の明るいこと(^^;)。目標は自分とか、マライヤ・キャリーとか言うなら、こんな企画には背を向けて自分の道を自分で進むくらいの腕っ節がないとやっていけないと思うのですがね。まあ、とても幼い彼女らにそこまで要求するのは酷か。そもそも、中学生ぐらいからこんな事ばかりやっているというのにも疑問符が付く。「何をオヤジ臭いことを」と言う向きもおありだろうが、私が彼女らを見ていて思い出したのは現在逆風にさらされている横綱の貴乃花だったりする(^^)。それでなければバルセロナオリンピックで最年少金メダルを取った岩崎恭子さんでもいい。人生二十年行かずに目標を達成したりしたら、後の六十年余り君らは何をやっていくのか。できればそういうことも考えながらレッスンを続けて欲しい。特にレッスンの内容が頭でなく体で覚えるような形なのでなおさらである。自分で考え、他人の助けを借りることなく一流になっていくのは、この中に何人くらいいるのだろうか。
- 水戸黄門(TBS・98.11.16)
今日月曜日は、水戸黄門でなくて大岡越前の放送日なのになんて思ったあなたはえらい(^^)。実は、夕方にやっていた再放送なのであります。ですから現在の佐野黄門様ではなく、先代の西村晃さんの黄門なのです。わざわざこんなところで再放送の番組を取り上げたのにはわけがあります。たまたま今日見ていたのは、ニセ黄門様(^^;)登場の回で、そのニセ黄門様が現在の佐野黄門だったというわけですね。
登場人物もその台詞の中で語っていますが、さすがに現在の黄門様だけあって、偽物でもちゃんと世直しの台詞をこなし、西村黄門より黄門様らしいのですね。どちらかというと、ほっかむりをして地元の漁夫に扮した西村黄門様の方がそれらしく見えたのです。
でも、それは当たり前と言ったら当たり前。西村晃という俳優は、正義の味方と言うよりも、一癖も二癖もありそうな悪役の方が似合うという感じで、正にニセ黄門様に打ってつけという感じだったのです。
以前、日本テレビ系列の『知ってるつもり!?』で西村さんを特集したことがありましたが、頼まれて仕方なく黄門様を引き受けたと言うことは想像できましたが、下手をすると役者生命をそこで終わらせてしまう程の大役だけに、なぜという感じはつきまといます。感じは違うかも知れませんが、昔、嵐寛寿郎さんが明治天皇をやってそれ以降大変困ったと言うことを思い出しました。嵐さんの場合は、その後本当に落ちぶれて、寂しくパチンコを弾いていたところを拾われて、「網走番外地」の鬼寅親分で復活したのですが、西村さんの場合は結局そのまま黄門さんのイメージを残したまま亡くなってしまいました。でも、彼の真骨頂は黄門様にはないということを改めて感じた次第です。
- バレーボール世界選手権(TBS・98.11.13)
根がスポーツ好きなので、ついスポーツ関係の番組ばかりになってしまってすみませんm(_
_)m。今日の新聞を読んだら、例の永谷園の大きな音を立ててお茶漬けを食べたりみそ汁をすすったり、チャーハンを食べたりするCMが物議をかもしているということですが、私から言わせるとバレーボールの応援の方がよっぽど耳障りですよ(^^;)。また、女子の決勝戦の生中継がなく、録画で放送されたのが夜中の一時から二時くらいというのは一体なんでしょう。そんな遅くまで起きている私も私だけれど、しかし世界の決勝戦が日本で開催されているのに生中継しないというのもね。今日中継があったらしい男子の試合も、世界ランク10位のスペインに敗れたそうで。なぜ日本のバレーボールが弱くなったのか。第一の戦犯はマスコミの報道の仕方にあると思うぞ(^^;)。
- ドキュメントにっぽん「自分に負けないで SPEED 10代のメッセージ」(NHK総合・98.11.7)
しかしNHKらしい番組の作り方だこと。中学生や高校生の声を紹介しながら、自分が生きていく力にSPEEDの歌がなっているという筋立てなんですね。まあいいけど実際のところ、そんな感じで報道されることで、彼女らの時代性が暴露され、大人になったらただの人になってしまいそうな予感を感じさせなくもない。
若いうちから芸能界に入ることで、同年代からの嫉妬を受けるかと思ったSPEEDでしたが、なかなかうまくやっているようですね。同じアイドルながら同世代の反発を買いまくっている広末涼子とはえらい違いだ(^^;)。しかし、彼女らもここ数年でどう変わっていくか。コンサートで同世代と会話をするような横浜銀蝿のようにはなって欲しくないですね(^^;)。
- バスケット日本リーグ女子「シャンソン化粧品対ジャパンエナジー」
(NHK衛星第一・98.11.1)
しかし、あのジャパンエナジーのキム監督は、ファンをバカにしている。前半は序盤リードしながら、徐々に追いつかれ逆転される。両チームは宿命のライバルで、今回の対戦も全勝同士の対決だ。キム監督は相当にレフリーの判定に不満があるらしく、後半はそれに対する執拗な抗議からテクニカルのフリースローから始まった。更にびっくりしたのは、後半の滑り出しからレギュラーを総入れ替えしてしまったのだ。
テレビ中継される試合である。会場の宮城県塩竃市の体育館に詰め掛けたお客さん、そしてジャパンエナジーのチアリーディングを含む大応援団。これらの人たちをあまりにバカにしていないか。リーグ戦で二位になったとしても、最後にプレーオフがあり、優勝のチャンスはこの試合の成績には関係ない。しかし、この凡戦を見せられる方の身になって考えることをしないこの監督の元では選手もかわいそうだ。逆に、シャンソンの方は、プレーオフに向けて手の内を隠しながらも決して手を抜こうとしない。全日本選手権らの一発勝負では勝てても、長いリーグ戦ではずっとシャンソンの後塵を拝してきたというのは、案外こんなところに理由があるのかもしれない。
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