2002年01月のテレビ
- にんげんドキュメント
「百分の一秒に輝く」かるたクイーン(NHK総合・2002.1.31)
はっきり言うと、昨年末あたりからひどく感銘を受けるようなテレビプログラムがありませんでした。以前と同じように、たくさんの番組を見ていたんですけどね。
で、今日見たドキュメントはなんと11連覇を達成した百人一首の女王(クイーン)を追ったものです。私もちょっとかじっていたからわかるのですが、正月にお遊びでやるカルタ取りとは全然違います。和歌を上の句から詠み、札として記入してあるのは下の句からというカルタは、まず100首全部暗記する必要があり、人より早く取るためにいろんな戦術があります。また、試合の時は100枚全部を使うのではなくて、半分の50枚は空札といって使用しません。だからがむしゃらにたたきまくってもお手つきになってペナルティーになってしまうという。そういうものすごい状況をクリアしてこその新年の対戦なのです。
番組では試合の流れを解説しながら、前人未踏の11連覇を達成した渡辺クイーンの内面にまでつっこんで紹介していき、最後までどうなるのかハラハラさせながらの演出は見事でした。
毎年この名人戦(男性)、クイーン戦はテレビ中継があるのですが、中継はその場を追っていくだけでなかなかその面白さというのがわかりづらくて、解説というのは必要だとしみじみ思うのでした。ここでは紹介していませんが、今ではケーブルテレビや衛星放送の発達で多チャンネル時代が訪れて、かなりいろんな嗜好に沿ったチャンネルがあります。しかし、ただ単にライブの状況を流すだけだと、わざわざテレビで中継しても欲求不満が残るような気がします。テレビには特に作り手の努力が必要なのですが、どうしてもテレビはその場から流れていってしまって省みられない部分もあり、難しいところでもあるのですが。
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