2001年9月のテレビ
- ETV2001
「中島らものアルコール格闘記」酒びたりの日々・うつ死の際で
(NHK教育・2001.9.4)
まずびっくりしました。実際の年齢はわかりませんがある意味かなり老けているような感じがしたもので。中島らもさんの文章を初めて読んだのは、今回の番組でも紹介されていましたが、今とはだいぶ違う感じの『月刊宝島』に連載されていた『かねてつ』の「かまぼこ新聞」です。当時は電通にも博報堂にも一対一では負けないぞ(^^)という気合いのこもった文字も踊っていたりして、その後の活躍も気にとめつついたのですが。
アルコール依存症から年齢とともに来る躁鬱の症状。自分はダメだと思って自殺を決意した時ちょうど仕事場にマネージャーが来て助かったという話をしながら、その現場で非常に冷静に自分のことをマネージャーに伝え、適切な処置をお願いしたというのは常にエッセイや小説を書いて自分を客観視できたからなのでしょうか。今中島さんがテレビカメラの前に自分の姿をさらし長いこと喋っているのも、小説を書きたいという意志の力がかろうじて勝っているからにすぎないという。
そういう意味からすると、中島さんの生き方というのは私のページで紹介している坂口安吾とだぶるものがあるような気がします。ただ、当時の安吾は睡眠薬とか覚醒剤とか(^^;)、中島さんよりすごい生活をしていて、枯れるどころが大暴れだったらしいですけど(^^;)。
今後の中島さんの活動というのはやはり注目したいです。お酒で廃人になりかけて、それでも生きている。では自分は何のために生きているのか。そうした格闘の結果が、今後の中島さんの著作から生まれてくるのかもしれませんね。
2001年のテレビへ
私のテレビ批評に戻る
ホームへ
ご意見、ご感想をお寄せください
mail@y-terada.com