2001年2月のテレビ
- NNNドキュメント’01
マングース騒動(鹿児島読売テレビ・2001.2.25)
実を言いますと、今年私の年賀状は今回のドキュメントの内容と同じものでした(^^)。奄美大島でハブの天敵であると信じられ、野に放たれたマングースが、今では天然記念物のクロウサギであるとか、農作物・家畜まで襲い、肝心のハブとはいっさい戦わないという。
生態系を乱す生き物をそのままにしておいていいわけはなく、行政では一匹2200円の報奨金を出して捕獲作戦を展開しているのですが、マングースというのはかなり用心深い性格で、捕獲されるのは経験の少ない子供ばかり。このままでは貴重な野生生物が絶滅の危機に瀕してしまうというわけ。
ただ、そうした自然の宝庫に人間が住み着くには、恐ろしいハブの恐怖から逃れることが非常に大事であるということはあります。私の住んでいるところでは、マムシに注意するぐらいでハブも出なければ熊も出ない。そういう場所に住んでいる私たちはそこまで深刻に考えることはないのですが、これから奄美の人たちはハブだけでなくマングースとも共存していかなければいけないという。後はどう発生を止め、削減できるかということになってきます。
同じように考えてみると、ブラックバスやケナフ、さらにはセイヨウタンポポやアメリカザリガニに至るまで、知らないうちに環境破壊というか自然環境の変化というものが私たちの周りで起こっているとも言えます。奄美のように目に見える被害もあれば、目に見えず徐々に被害は深刻化していき、気がついたらとんでもないことになっていたという事例も今後起こるかもしれません。環境ホルモンには敏感な私たちですが、それだけでなく私たちの周りにあるほんのちょっとした環境についても気を配ることは大切ではないかなあと、そんな風にも考えてみました。
- 私もテレビに出たい・中学生日記・生徒オーディション(NHK教育・2001.2.12)
その昔、TBSの深夜番組『イカ天』に、その名も『中学生日記』
というものすごいバンドが出ていましたが、当然ながらそのバンドのことではありません(^^;)。というか、あまりに真面目な番組のため、茶化される部分というのがあるような感じがするのです。
この番組は名古屋放送局の制作で、実際の中学生をオーディションで募集し、彼・彼女らの体験に基づいてドラマの脚本を書くそう。この番組はオーディションに出演した生徒や、実際に番組に出演している生徒の自宅にビデオカメラを持ち込み、彼らがテレビを見る様子を彼ら自身に録画してもらうという。いったいどういう生活をしているのか最初のうちは興味津々に見ていたのですが、次第にどの子も同じようで、雑誌を読んでようと、寝ていようと、ずっとテレビをつけっぱなしにしているというのがわかってくると、それほど変わらないんだなあと妙に納得した次第。
それでいて、どうしてテレビに出たいかというと『有名になりたい』ということでだいたい一致しています。番組の最後にこの番組からスターになった俳優の名前が出てきましたが(竹下景子や加藤晴彦などの若い頃の写真が出てました)、そういう風に多くの人に認められるためには相当の努力が必要で、さらに運も必要で、中学生日記に出たからすぐにスターになれるわけてもないことは分かり切っているはずなのに。どちらかというとほとんど注目して見られない方が多いし、チャンネルと放送時間を考えると、見てももらえない可能性の方が多いですからね。
テレビに出る人間がすべていいかというと個人的には違うという感情の方が多いのですが、日々テレビしか見ない生活を続けていると、そういう尺度でしかものを見られなくなってしまうということを実証したような番組ではありました。何度もここで書いていますが、テレビについて語るためには、いかにテレビを見ない時間を作り、テレビ以外のことについて考える時間が必要ではないかと思います。といいながら現在はパソコンのモニタ上で別の番組を見ながら書いているんですが(^^;)。
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