2000年1月のテレビ
- BSスペシャル『笑いは世界を救えるか』(NHKBS2・2000.1.24)
笑いを解説されてもという人もいるでしょうが、優等生的な作りになっていつつも面白く見ることができたのは、元フジテレビ・現吉本興業東京支社長の横沢さんの魅力だったのでしょうか。
高校生、しかも女の子ばかりが集まる劇場に、浅草演芸ホールなど寄席を中心に活動している漫才コンビが出て受けるのだろうかという実験は、当人たちにとってはまるで針のムシロの心境だったでしょうが、面白いものを見させていただきました。確かに世代によって何を面白がるかという違いはあり、そのままのものがすべての世代で受けるとは私も思いません。インディーズの狭い枠の中で受けている若手お笑いの人たちも、結局はジャニーズ事務所のアイドルにはかなわないという現実もあることだし、ここで笑いの芸についてじっくり考えてみるのもなかなかいいものです。
この番組はシリーズなので、見のがした方はぜひ明日からもどうぞ(^^)。
- ポップジャム(NHK総合・2000.1.22)
久しぶりに電気グルーヴをテレビで見ました。最近ではパパパパパフィーでピエール瀧がVTR出演しているところしか見ていなかったので、果たしてNHKホールで何をしでかしてくれるのかと興味津々で見ていたのですが(^^;)。
彼らの音楽はコンピューターによる打ちこみなので、別にバックバンドの必要性はないのになぜかバンドを引き連れてきました。バンド名は『YA MANBA』(表記がこの通りか確認はできませんが(^^;))。よく山姥と誤認される典型的な顔を黒く塗っている女子高生たちなんですね。
で、演奏の様子を見ていたところ変な事に気付きました。バンドの編成はギターにベースに、ドラムにキーボードにパーカッション。しかし、誰一人として演奏している素振りがないこと(^^;)。ギターやベースは手を一所懸命振っているもののそれが弦に触れている気配がありません(^^;)。ドラムも寸止めしているみたいだし、キーボードも何をしているんだかという感じでした。ポップジャムの本番では実際に演奏しているのかというのは私は知りませんが、その辺の所をおちょくった彼ら一流のジョークだったのです。
にしても、後から出てくるバンドも音が出てないのではと思わせる彼らの演出には参りました。バンドメンバーのインタビューの間にも歓声を振り上げるNHKホールに入場している人達はそのことに気付いていたのかな。
- ここがヘンだよ外国人(TBS・2000.1.5)
題名はちょっと違いますが(^^;)、これは『ここがヘンだよ日本人』の冬休みスペシャルバージョン。見ているこっちが疲れてしまうほど騒々しい状態を伝えてしまうというのがいかにも今のテレビという感じがしますよね。それはいいとして、今回興ざめしたのはパネラーのテリー伊藤が必要以上に罵詈雑言を浴びせ掛けたくだり。
彼の手掛けた番組に『浅草橋ヤング洋品店』というものがありました。最初の頃はその番組名が示す通り、ファッションに的を絞った構成だったのでありますがいつの間にか料理人の周富徳氏が出てきたり、江頭2:50が出てくるようになって構成はどこかへ飛んでいってしまいました(^^;)。しかし、面白ければいいということなのか番組は現在も続いているそうです。もっとも現在は『ASAYAN』に変わり、テリー氏も番組を離れたようですが。
さて話を戻しますが、テリー氏の怒りの表情は私から見ると視聴者に喰いついてもらいたいためのエサに過ぎないような感じを受けました。たとえは古いですが、大島渚監督の「バカヤロー」と同じ感じ(^^;)。ある意味ではテレビディレクターの鏡と賞賛する人もいるかも知れませんが、みえすいた手に引っかかって一触即発の状態を期待する人が多いから、こういう番組が安泰なのでしょうね。箱の向こうの喧騒に疲れたら、テレビを消してじっくり考えることが大切ですよ。
- 盆栽 五葉松(NHK教育・2000.1.1)
新年早々おめでたい番組が続くのですが、この番組を見た人は少ないでしょう(^^)。何といっても教育テレビの深夜三時からの放送なのですからね(^^;)。内容は五葉松の盆栽の手入れの仕方が延々と続くというもの。なぜこれを正月の半端な時間にやるのか? まあ、盆栽というのは正月にふさわしいかもしれませんが、番組は正月用として作られたものでもないらしく、番組は唐突に終了。私、はっきり言って2000年初頭から途方に暮れてしまいましたよ。でも、最後まで見ている私も私なのでしょうが(^^;)。
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