観戦記その他

 

6月11日夜のエコパ競技場

 

 最初はすべてテレビ観戦になるのが当然だと思っていましたが、終わってみたらなんと2試合も生で見てしまいました。見た試合は6月11日のカメルーン対ドイツの一次リーグ最終戦を静岡スタジアムエコパで。そして6月26日に準決勝のブラジル対トルコを埼玉スタジアム2002で。前者は来年国体のメイン会場になる陸上トラックのある総合グラウンド。後者は決勝の開催も意識していた6万人以上収容のサッカー専用球技場でした。後、違いとして地方開催と首都圏開催の違いというのもあったかも知れませんね。

 スタジアムの場所は、どこの競技場でもそうであるように交通の便が悪い(^^;)。静岡スタジアムはJR東海道本線愛野駅から徒歩で15分かかります。新幹線の場合は掛川駅からシャトルバスが運行され、駐車場からまた歩くという(^^;)。埼玉スタジアムも最寄りの浦和美園駅からやはり徒歩15分ほど。周辺の駅からはシャトルバスが出ていましたが、観客が大挙して押し寄せるのをシャトルバスの輸送でまかなうということはかなりの負担だったと思います。ちなみに静岡の時は愛野駅から徒歩、埼玉スタジアムではさいたま新都心駅からシャトルバスを使って会場に入りました。

 スタジアムの周りではグッズを販売する店が立ったり、イベントが行われていたりしました。やはり首都圏の方はスポンサーが直にブースを立てていて、イベントに参加するといろんなものをもらえたりして(^^;)地方との格差を実感しましたね。チケットを求める人やダフ屋さんもそこかしこに立っていましたが、これも一次リーグと決勝トーナメント終盤では違いが出てきました。静岡ではほとんど売り手市場で、もし余分にチケットを持っていて、逮捕覚悟で(^^;)売買をしたとしたら結構なもうけが出たのではないかと思います。しかし準決勝はチケット自体が高いので、多くの券を抱えていた人たちはチケットの処理に困ったようです。後から聞いた話だと6万5千円のカテゴリー1のチケットが試合直前には定価に、試合開始15分後には一律1万5千円になったとかならないとか。ちなみに私が座っていたカテゴリー2の席の隣は空席でしたし(^^;)、かなり固まって空いていた席は試合開始からしばらくして埋まってきました。おそらくダフ屋が放出した席に格安で座った人がいたのでしょうね。

 二つの競技場のうち、やはりサッカー専用の埼玉スタジアム2002の見やすさはさすがでした。私の座った席はゴール裏のかなり上の席だったのですが、どの席からもフィールド全体が見えるように設計されているといううたい文句に嘘はありませんでした。ドリンクホルダーもちゃんと設置されていて、見る人のこともちゃんと考えているなあという感じです。ただ、Jリーグで浦和レッズが使うのは年間5試合ほどだそうで、ちょっと残念ですよね。せっかくのサッカー専用競技場なのですから、今後はもっと大きな試合を誘致して欲しいものです。

 そして、肝心の試合内容についてです。一次リーグというのは、決勝トーナメントに行けるか行けないかがかかる試合なので、全力で戦うというよりもそれまでの状況を見て戦い方が決まるという感じになります。私の見に行ったカメルーン対ドイツは最終戦で、ドイツは勝つか引き分けで決勝トーナメント進出が決まります。なんといってもドイツはサウジアラビアとの第一戦で8対0と大勝しているのが利いています。ドイツの戦い方は冷静に失点を避け、あわよくばカウンターで得点を狙うという至極面白くない(^^;)戦い方。そういう戦いに徹したことで決勝まで行けたということはあったでしょう。ゴールキーパーのカーン選手が目立つ戦いというのはやはり普通じゃありませんですし。対するカメルーンの方は引き分けだと得失点差でドイツに届かないので、どうしても勝たなければならない状況でした。そんな中、今大会でも注目のフォワード、カメルーンのエムボバ選手の足の調子は時間を追うごとに落ちてきました。若いエトゥ選手が頑張ったものの、老獪な試合運びをするドイツの戦い方にイライラ感が募り、相手の退場によるアドバンテージを生かせず、気合いだけが空回りしていた印象です。見ていて目立ったのはカメルーンの選手の方が多かったのですが、やはりまだ組織だってドイツに相対するだけの一体感にかけていたようです。しかし、そうした一体感が作られた場合、それこそ中津江村で住民とふれあったり、休日に富士急ハイランドのジェットコースターに乗りに行ったりする自由奔放さが失われてしまうでしょう。やはりカメルーンの敗退は、キャンプに遅れる原因となった金銭面のいざこざにあったと思います。願わくば次回、自由奔放な魅力を失うことなく、いざというときは一体感を持った攻守にわたるプレーを披露して欲しいですね。そうすればアフリカ勢初の優勝も可能だと思いますし。

 そして、準決勝のブラジルトルコ戦です。実は私、開幕前からトルコの力というのをかなり買っていまして、予選リーグの初戦で同じカードがあったのですがここでブラジルが負ける可能性もあるのではと思っていたのです。予選リーグでは疑惑の判定でPKをもらったブラジルが勝ちましたが、結局この判定がこの試合にも生きていたということなのかもしれません。

 ブラジルは個人の力によって局面を打開する力があり、対するトルコはエースのハカン・シュキル選手が絶不調で(^^;)、セネガル戦で一点でも決めていれば違った結果が出たのかも知れません。組織力ではトルコがブラジルを圧倒するものの、最後の決めるべきところでフォワードが決められない。確かにブラジルのゴールキーパーマルコスのプレーは素晴らしいものでしたが、ブラジルがロナウドのトーキックで先制した時にほぼ勝負ありといったという感じでしたね。ちなみにその瞬間はちょうど目の前のゴールだったためしっかりこの目に焼き付きました。ついでにあの奇妙なロナウド選手の髪型と共にですが(^^;)。

 それにしても、やはりというか旋風を巻き起こしたトルコと韓国はベスト4止まりでした。ワールドカップの決勝へ出るためにはどうすればいいのか。図らずも私はベスト4のうち3チームの試合を見る幸運に見舞われたのですが、やはりしたたかな戦い方を長くこなしていないと決勝進出というのは難しい。前回のクロアチアも前々回のブルガリアも、ベスト4で止まったという事実は実に重いと思うのです。韓国についても同じことが言えるでしょう。アジアからワールドカップの優勝国を出すためにはベスト4で満足してしまってはそれで終わりです。私と同じような感想を持つ人も多いことでしょう。そういう試合を生で見られたというのは日本にとって実に大きな未来への遺産となったと思います。日本チームはユース世代がワールドユースの決勝戦に進出しましたが、ワールドカップでない別の年代でもやはり決勝戦に出られるチームを目指して強化を行って欲しいと改めて思いました。(2002.7.9)


 

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