キャンプで就寝時に使うものといえば、寝袋の他に銀マットなどのマットと相場が決まっていますが、それ以外のアプローチもあります。それが、キャンプベッドとも呼ばれる組み立て式のベッド『コット』です。簡単に折りたためるが重量が重く大きいものがほとんどですが、コンパクトにまとまりつつもそこそこの強度を持つものとして人気なのがアメリカ製品のVoyager cot (ボイジャーコット)です。四本足は太めパイプで、はじめて組むにはかなりの力が必要ですが、何回か設営しているうちにそれほど力を入れなくても組めるようになります。幅は60センチあるので、寝返りもうつことができ、寝心地はマットよりも上々です。元来、キャンプ用のものなので車内で使うことは想定していなかったのですが、今回、ワゴンRのシートアレンジを何とかして出来上がった状態のコットをのせることを試みました。
ワゴンRでベッドメイキングをする場合、助手席の背もたれを前方に倒すことで水平を出すのですが、コットを使う場合それほど水平を出さなくてもいいと同時に、60センチある横幅を考えなければいけません。思案の結果、写真のように背もたれを後方に倒し後席を前に倒すことで幅による障害はなくなりました。ただ、このままでは前後に段ができてしまいますので、ある程度隙間を埋めることを考えます。ただこの際、前後の席のヘッドレストを外さないとこのような状態にならないので、以外に手間取ります。 |
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普段のベッドメイキングでは伸ばしたまま使っていた長座布団を二つに折ってみました。これで、かなりの段差が解消されましたが、所詮座布団なので、コットの足を置いてその上に寝ることを考えるとどうしても不安定になってしまいます。 |
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そこで、足を安定させるために組み立て式のコンテナボックスを渡してみました。これをのせることで若干高めになりますが、安定はします。長座布団は使わない方がいいかも知れませんが、それほど段差は確認できなかったのでこの状態で組み上げたコットを乗せてみます。 |
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ボイジャーコットはパイプ状の足が四つありますが、後ろの2つは水平になった後部にかかるので全く問題はありません。前の状態は写真の通り浮き上がることもなく十分安定しています。背もたれの部分はかなり凸凹していますが、コットの場合は足さえ安定すれば多少の凸凹は問題になりません。 |
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ボイジャーコットの全長は186センチですが、無事にワゴンRの車内にすべて収まりました。左右もハンドルにはかからないぐらいで、大人一名が就寝するスペースを十分に確保できています。実際に寝てみましたが、天井の高さもそれほど気にならず、前方が若干高いことを差し引いても車中泊の環境としては最高の部類に入るのではないかと思います。 |
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このまま使ってももちろん快適なのですが、下から冷気が入る冬などは、写真のようにマットを敷いた方がいい場合もあります。イスカのコンフィマットレス165センチを使っていますが、あつらえたように横幅がぴったりです。165センチだと少々長さが足りないので(枕で長さをカバーすることも可能)、ひとつ上の180センチサイズのものを使ってもいいかも知れません。 |
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運転席側の空いたスペースおよび、コットの下のスペースに荷物をすべて押し込みました。最高の就寝環境を提供するコット導入ですが、問題もあります。写真の通りそのままでは車を移動することができないのはいざという時の対応に困ります。ただ、そうした緊急の時には素早くコットを立て運転席左のスペースを作り、運転席の背もたれを立てれば車から出ることなく運転スペースは確保できます。もう一つの問題は、さすがに車に乗った状態からはコットを組みたてにくいということです。大雨で外に出られないような状況や、コット組み立てが他の車の迷惑になるような状況では通常のベッドメイキングで我慢するにしても、作業するスペースがある場合や、回りが就寝する前でコット組立てが迷惑でない場合はむしろ積極的にコットを設営したいものです。長距離運転の後や、車中泊が続く時などはコットでの就寝は十分に体を休ませることができますので。 |
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