新潟 栃尾〜燕 買い物の旅

燕青空即売会100円均一品

 今回の旅は、車中泊が目的の旅ではなく、まず最初に目的があり、その目的を実行するためには車中泊の旅がベストといった感じのものでした。早朝から午前中にかけて旅の目的があり、それが実行されてしまえば後はゆっくりしようが早く帰ろうがどうなっても大丈夫という、かなり勝手気ままな旅です。一応の目的地は一年に一度、10月の初めに開かれる新潟県燕の金属製品を中心にした「燕青空即売会」へ行くことでした。金属加工の分野で一大生産地となっている燕での大がかりなビックバザールはどういう感じなのか、楽しみにして向かいます。開始時間は午前9時からとなっていますが、私が現地に着いたのは8時半頃でしたが、もう買い物を終えて帰る人もいましたから、お目当てのものを手に入れるためにはスタートしたてが勝負だと思い、朝からの突入という計画を立てました。もっとも、朝早いというのはもう一つ理由がありまして、燕から車で40分くらいの長岡市栃尾というところの名物「ジャンボ油揚げ」をお土産として買って帰って来ようというもの。油揚げを売っている豆腐屋さんは、その仕事ゆえ早いところでは朝6時過ぎに開店しているところもあるということで、高速でできるだけ栃尾に近いところまで行き、早朝から活動を開始しようという魂胆です。

 そのような日程を考えると、出発したのは10月2日の土曜日だったのですが、翌日の即売会を控える中、それほど朝早く出発しなくてもよかったのです。ただ、たまたま旅のちょっと前に、今回の行程の途中にある甲府の知り合いの方から連絡をいただき、それでは少しおじゃましますということで、その方へ旬の「生しらす」をお土産に国道52号を北上しました。自宅を出、魚の直売所で買い物をし、再スタートをしたのは午前9時を少し回ったくらいだったでしょうか。途中、高速道路の無料化区間である中部横断自動車道の増穂IC〜白根ICを通り、11時過ぎには目的地である湯村温泉に到着しました。

竹中英太郎記念館

 今回お邪魔した「竹中英太郎記念館」です。知らない方はまるで知らないでしょうが、大正から昭和のはじめにかけて、ミステリー小説がまだ探偵小説と呼ばれた時代、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作など、現在でも多くの方々に読まれている作家の作品の挿絵画家として著名な竹中英太郎さんの作品を展示しています。なぜか人気絶頂の頃画家を止め、その後は長く筆を折り、幻の画家とも言われた方です。現在手に入るものといえば、ちくま文庫版の「夢野久作全集」のカバーにその作品の数々を見ることができますので、興味のある方はどうぞ。お土産持参でその作品の数々を堪能しながら館長といろんなお話をしていたら、あっという間に時間が経ってしまい、気付いたらすでに午後4時となっていました(^^;)。いくら時間に余裕があると言ってもあまり遅くなるとまずいですし、せっかく温泉地に来たのですから、しっかり温泉に入ってから出発しようということで、ほとんど何もしない中、再スタートとなったのは午後5時を回っていました。

 双葉SAから高速道路に入り、長野方面を目指します。途中、原PAの食堂で信州名物のソースカツ丼をいただくことに。一応車内でも食べられるようなインスタント食品の用意はしてきたものの、ついつい眼前の誘惑に負けて、名物に走ってしまいました。今回のルートは中央道から岡谷ジャンクションで長野道へ進み、更埴ジャンクションで上信越道に入ります。そして上越ジャンクションから北陸道へ入り、長岡ICを目指すルートです。途中、姨捨SAで絶景の夜景を見るために休憩したら、ここで釜飯で有名なおぎのやさんの出張販売がありました。釜飯を待てば良かったかなとも一瞬思いましたが、弁当の場合はどうしてもゴミが出るので、食堂で食べたのはある意味正解だったかも知れません。このルートでは、長野の松代PA以降、100キロ以上もガソリンスタンドがないため、一回目の給油を松代で済ませます。土曜日の夜ではありましたが、このルートでは渋滞もなく、大きなサービスエリアをのぞいては、駐車場も込み合っていませんでしたので、長岡インターに一番近い(長岡まで8km)大積PAまで走りました。休み休み進んだものの、午後10時前に着いたのですからまずまずといったところでしょうか。

 翌日は長岡市内を栃尾まで行き、開いている豆腐屋さんへ行き、名物のジャンボ油揚げをお土産として購入するということで目覚ましを午前5時にセットします。着替えて歯を磨き、寝床を作って翌日アップするブログを書いているうちに時間は午後10時を回ってしまいました。NHK第2放送の気象通報を聞きながらあたふたと明日の準備をし、11時前には就寝しました。

栃尾の佐野豆腐店

 翌日は、とりあえずアラームとともに起きることができましたが、寝床を片付けていたりブログのアップにパソコンを立ち上げたりしていたので、出発の時間が午前6時を回ってしまいました。栃尾の豆腐屋さんは早いところでは午前6時から開店しているとの情報があったので、開店と同時には到着できませんが、このくらいの時間に出られれば十分でしょう。カーナビに目指すお店の電話番号を打ち込み、30分ちょっとで栃尾に入りました。目的の朝6時から開いている「佐野豆腐店」に入ります。お店の前が駐車場になっているので、車で来る方も安心して停められるのがうれしいですね。ジャンボ油揚げについては、こちらのページをご覧下さい。きちんと包装されていた油揚げは予約分だとのことで、店の奥で揚がっていたジャンボ油揚げを包んでもらいます。周辺を見てもまだ回りの店は開いていないようだったので、とりあえず近くにある道の駅とちおへ行き、時間調整をします。残念ながら物産館は開いていず、素通りでしたが、ここでは揚げたての油揚げを食べられるコーナーもあり、再度訪れる時にはぜひとも訪ねたいものです。朝食がわりに持ってきたお菓子を食べながらまったりしていたら、時間の方は午前7時を回ったので、2件目のお店としてピックアップしていた星長豆腐店へ行くことにしました。こちらのお店はおぼろ豆腐が有名ということで、油揚げはほどほどにして、おぼろ豆腐を大中小と3つ購入し、用意してきたクーラーボックスに詰め込みます。これで、栃尾までやってきた甲斐がありました。二件回ってしこたま買い込みましたが、元々単価が安いものだったので使ったお金は2千円前後くらいで済みました。これから、いよいよ目的の燕を目指します。

 イベント開催は午前9時からということでしたが、早く行けばそれだけ掘り出し物が残っています。人によっては終了間際に値引かれた物を買う方が賢いと思われるかも知れませんが、この日程ではとても最後までいるような感じにはならないでしょうし、売れる前にいいものを買う方が私の性に合っています。そうして車を走らせていると、高速道路の案内表示板に気になる表示を見付けました。『地震 50キロ規制』とあったので、あわててラジオを付けたところ、何と昨夜通ってきた新潟の上越地方で震度3の地震があったとのことでした。その時は、それ以上の事は起こらないと思っていたのですが、それはまた後の話で。

 燕の会場には8時半頃に到着したのですが、すでに買い物をし終わって帰ってきている人もいました。.一番上の写真がオープン当初の会場の様子ですが、こんな朝早くからでも結構な人が出てきていました。一通り見たところ、メーカーがそのまま品を出しているというわけではないらしく、金物の商社がさまざまな製品を出していて、よく箱の記載を見ると燕で作られた日本製でない海外生産の製品であったり、東京や大阪の会社が作った製品も多く並べられていました。ちょっとがっかりしつつも、売れ残った製品が100円、300円、500円、1000円などと分かれて売られているブースを発見し、物色します。現在は家に置いてあるイワタニのジュニアカセットコンロが1,000円で売っていたり、メーカー品の掘り出し物が見付かりました。そこではmenuというメーカーのワインに使うバキュームボトルストッパー(飲みかけのワインに空気を抜いて栓ができるもの)を100円で購入しました。

 さらにお店をいろいろ回っていたところ、ついに目的の燕で作られた真空二層構造のマグカップと水筒を見付けました。使うかなと思いつつ、オール500円だったのであるものを全て確保する勢いで購入してしまいました(^^;)。で、その中の一つは知り合いへのお土産と化けました。その性能から考えると、ディスカウントされている明らかに性能が劣ると思われる他のボトルと同じ水準で売られているのが納得いかない面もありましたが、わざわざ新潟まで行ったのですから良しとしましょう。

 十分満足し会場を後にし、これからどこかへ寄ろうかと思いながらラジオを付けたところ、何と昨日と同じ上越地方を中心に最大震度5弱というかなり大きな地震が起きたようで、ラジオ放送は通常のものを中断し、地震のニュースを延々と流しています。あわてて携帯電話を見たら、案の定緊急地震速報を伝えるメールが入っていましたが全く気付きませんでした。地震が起こった9時半頃は掘り出し物を見付けるのに懸命で、地震があったことすらわからなかったのですが、その際の震度は燕で2だとのこと。このくらいの揺れだと、ちょっと外で何かしていれば気付かない程度のものでしょう。それでも、これから震源地を通って帰らなければいけないという事だけはわかりました。幸いにして高速道路は通行止めになっていないようだったので、とっとと高速道路に乗って震源地付近を通り過ぎるまでつっ走ろうと判断しました。

 高速道路は速度規制はあったものの渋滞はなく、スムーズに新潟県を通り過ぎることができました。長野に入って、小布施のハイウェイオアシスで栗おこわを買いに出ようかと思いましたが、高速道路沿いの小布施PAでも2人前の栗おこわ(竹風堂)が売っていたので時間を取られることなく進めたのはラッキーでした。昼食も簡単なもので済ませ、あっという間に山梨へ。帰りも国道52号を使い、自宅へ付いたのは午後5時という早さ。それでも高速道路へ乗ってから8時間という時間がかかっているわけですが。

 今回の旅を振り返ってみると、地震というハプニングはあったものの、旅の目的はことごとく朝の早い時間にこなせるところのみを回ったということで、旅の日程的には実に余裕を持てるものでした。大きなお祭りなど朝早く回った方が混むことも少ないということで、前日から入りホテルを取ってイベントに参加するよりも、車中泊で朝一番で動く方が私としては動きやすく、おすすめの日程と言えるかも知れません。特に休みが暦どおりという場合、ホテルに宿泊することが目的の旅でなく、買い物とかイベントなど朝早くからの行動の方がいい場合は、貧乏くさいとかそういう事を抜きにして、車中泊前提の予定を立てればかなり時間的に余裕ができるでしょう。今回の旅がまさにそれでした。おかげで、旅の疲れを翌日に残すことなく、月曜日からの仕事もこなせました。

 ただ、あまりにせわしなく回ってきたこともあり、特に栃尾周辺はもういちどじっくり回ってみたいというのが正直なところです。今度は燕でなく別の目的地と合わせて予定を組んでやろうと思っています。(2010.10.11)

 


 

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