前回の最後に、警備会社が提供する緊急通報用端末について紹介させていただきましたが、専用の端末を新たに導入するという方法だけでなく、携帯電話のアプリケーションで同様の機能を提供している警備会社もあります。ここでは、それらの中で代表的なセコムの専用端末を使った「ココセコム」とアルソックの携帯電話のアプリを利用した「まもるっく」(セコムにも同様のサービスはありますが、対応する携帯電話の機種が限られます)を比較し、その特徴を考えてみたいと思います。
・ココセコム(専用端末)の概要
携帯電話を持っていない方や、対応するドコモかauの携帯電話を使っていない方にとっては、料金面で優位なのはこちらの方になるでしょう。端末本体はレンタルで、加入料金はインターネットから申し込むと4,500円で、月々の請求額は最安で月945円(位置情報検索が月10回以内の場合)と一般的な携帯電話の維持費より安くあがります(別途充電機の購入も必要)。携帯電話そのものを持っていないか、ソフトバンクやPHSしか持っていない方であっても、十分許容範囲の金額だと思います。
端末にはボタンが付いていて、押すと自分の位置のGPS情報がセンターに送られ、緊急通報があったことが警備会社に認識されます。それを受けて、登録された電話にオペレーターから連絡が入り、そこで現場へ急行するか否かの確認が行なわれるようです。また、端末は常にGPS情報を送信しているので、連絡がない場合端末の位置をインターネットや携帯電話で家族などが確認することが可能になっています。本来はその情報を元にして家族が現場に向かえればいいのですが、警備会社に電話して現場急行を依頼することも可能です。ちなみに、現場急行には別料金が発生します(後述のアルソックのサービスでも同様)。捜索依頼を警察に出す場合には警備会社に電話しないで直接警察に連絡し、端末の現在位置を知らせるなどの方法も取れますし、もし万が一オペレーターから本人および家族へ連絡が取れなくなった場合には、端末を所持している人がいる場所に現場急行を行なうということなので、すぐ連絡の取れる親族がいない場合でも安心ではないかと思います。
また、通報にさまざまなパターンがあるのも専用端末の特徴で、「みつめてコール」というモードにすると、端末が一定間隔で振動するようになり、それを止めるには手動での対応が必要になります。つまり、何らかの事件に巻き込まれたような場合、端末の操作ができなくなるわけですから、一定の時間本体の操作がない場合は自動的に通報する動作をするのです。これは、夜道を怪しい人物につけられていたりした場合に有効なモードです。ただ、申すまでもない事かも知れませんが、この端末自体で通話はできません。あと、本体を充電しながらの動作にも対応していないようです。元々が自宅では充電し、外出の際の危険をカバーするものなのでこういった仕様なのでしょうが、長期旅行で使う場合は、通常の充電器の購入よりも予備電池および電池単体の充電器を入手して使うという手もあります。
・まもるっく の概要
こちらのサービスは、ドコモとauの携帯電話で利用できるサービスです。今お使いの携帯電話がそれらの会社のものでしたら、月々の支払262円は携帯電話料金と一緒に請求され(現場急行費は銀行振込なので注意)、申し込みも携帯電話から直接申し込めます。ただ、こちらもGPSによる位置情報を送るため、使えるもの使えないものがありますのでサイトなどでご自身の携帯電話で受けられるサービスなのか確認する必要があります。
携帯電話のアプリケーションから導入されたアプリ(アプリダウンロードには通信料が別途かかります)を選択し、そこから通報ボタンをクリックするということで、専用端末と比べると若干操作が増えます。緊急時にそうした一連の動作ができるのかと心配になるかと思いますが、現状の端末ではアプリケーションキーの長押しですぐに登録しておいたアプリを起動させるようなものも多いので(私の持っている携帯電話もそう)、アプリを起動させたらメニューにある通報のボタンを選択してクリックすれば通報できます。なお、間違って通報してしまった場合の事を考えて、実際に通報するまでには約10秒の猶予があり、その間なら通報をやめるという選択も可能です。逆に、すぐに通報したい場合は続けてボタンをクリックすることで通報が可能だとのこと。こちらも同じくGPSで取得した位置情報をオペレーターが把握した上で登録した電話番号へ連絡が入ります。
なお、こちらのサービスはココセコムのような位置検索のサービスは提供していません。携帯電話会社自体がこうしたサービスを行なっているということもあるのでしょうが、端末の操作が苦手な人に持たせるというよりも、しっかりと何かあった時にアプリを起動させて通報できる事を前提としたサービスと言えます。その他には、携帯電話を使ってのサービスと言うことで、アルソック独自の注意喚起情報をメール配信する機能があったり(メール取得には別途通信料がかかります)、任意で選択した警察署が提供している防犯メールサービスを転送して配信するサービスも付いています。
とりあえず2つのサービスについて説明を試みてみましたが、どちらのサービスがいいかというのはそれこそお使いになる方によって違ってきます。専用端末のココセコムは、普段はお子様や高齢者の方に利用してもらっておいて、旅行の時だけ持っていくという使い分けもできますし、車から外に出ていて突然襲われたような場合の対応的には、ボタンを押せば即通報というシンプルさはたとえ突然の状況で頭の中がパニックになったとしても何とかこなせるだけの作業でしょう。
まもるっくの方は携帯電話自体から申し込めばすぐ使え、解約や再加入も自由ですので、対応の携帯電話を持っている人にとっては気軽にサービスを受けることができる点が優れているように思います。通報までの手間はココセコムには劣りますので、待ち受け画面から通報までの操作をスムーズにできるように頭に叩き込んでおく必要はあります。余分な持ち物を増やしたくない場合も、全て携帯電話に集約できるというのは便利と言えるかも知れませんね。導入を検討されている方はこうした双方の特徴を頭に入れつつ考えてみてください。(2010.9.8)
別府市明礬の山道沿いの雑木林で遺体で見つかった若い女性は、全ての行程ではないと思いますが、仮眠などを車の中でとっていた可能性もあるということで、大変悲しい結末に言うべき言葉も見付かりません。ご本人の御冥福をお祈りするとともに、これからどうしてこんな悲劇を回避するかというのが今を生きる私たちにとっての重要事だと思います。ここでは改めて、旅行中に事件に巻き込まれないためにはどうしたらいいのかという事について考えてみたいと思います。
被害に遭われた方は、遅い夏休みを取られ、8月31日の火曜日から9月1日の水曜日にかけて事件に巻き込まれた可能性が高いでしょう。平日ということで観光地にはそれほど人は押しかけず、観光するにはしやすいとも思えますが、それがほとんど人の出入りのない露天風呂ということになると少々ニュアンスは違ってきます。休日にはそれでも同じ目的で露天風呂への道を通る車もあるかと思いますが、人の姿が見えない中、山の中に入っていく前には、やはりそれなりの対策が必要ではないかと思います。まず、携帯電話が繋がるかどうか確認してから車を降りるくらいの用心深さを特に女性の一人旅では持った方がいいのではないでしょうか。また、今回のように無防備な温泉入浴でも対応できるように防水の携帯電話にするか、水濡れを防ぐ専用の防水カバーを用意しておいて、常に電話を手元に置いておくなど(温泉の場合はさまざまな成分が含まれているので、防水だからといって湯船に浸けるような事は避けてください)、何かあったらすぐにSOSを発信できるような対応をしておきたいものです。携帯電話についてもう一つ考慮しておいた方がいいことは、いわゆるスマートフォンよりもおさいふケータイの付いた普通の携帯電話の方がいいということです。というのも、もし車から離れた間に車内を荒らされて貴重品をごっそり持っていかれたような場合、被害届けは出すにしても現地から自宅へ帰るまでのお金が全くなくなるわけで、本当に困ってしまうからです。携帯電話から決済できるネットバンキングから電子マネーにチャージするというのがまずは考えられますが、私がおすすめするのは、おさいふケータイのアプリケーションのうち、チャージがいらない電子マネーとしてのQUIC
Payです。これをインストールしておけば、いざという時にコンビニで買い物をしたり、対応するガソリンスタンドでの給油もできますから、現金が全くなくても何とかすることができます。ただ、気を付けたいことは、QUIC
Payで決済されるクレジットカードとはできるだけ別々に保管し、財布の中にカードを入れずに自宅においておくなどの配慮は必要です(カードが盗まれた場合、他人に決済される危険性が常にあるので)。
次に車上荒らしについての対処ですが、これは貴重品を車内に置いておかない事が一番です。また、お財布に入れておく現金は最小限にとどめ、必要であればその都度コンビニなどで出すかクレジットカードを利用するなどの工夫も意外と重要だったりします。それでももって行かなければならない貴重品については、背負うことのできるバッグを利用するなどして、大切なものは常に車から持ち出しましょう。また、車中泊の旅の場合、どうしても車内が散らかっていて、いろんなものが車の中に入っていると(実際は大したものは入ってなかったとしても)悟られる危険性があります。大きな車でスペースに余裕があったとしても、荷物はコンパクトにまとめ、車からある程度の時間離れる際には外から見て何かあるという印象を持たれないように車内を整理してから離れるようにしたいものです。
今回、報道される中で地元周辺からさまざまな情報が発信されてきました。以前から盗撮目的での不審者の目撃情報や、車上荒らしの被害は多かったといいます。こうした情報は、ネット上などではすぐに取得するのが難しい反面、地元の観光案内所などで直接尋ねれば詳しく教えてくれる場合が多いです。休日と比べて平日は危ないとか、時間帯によって危険になるとか、細かいことは地元の方に尋ねるのが最良の方法です。車での一人旅ですと、カーナビがあればたいていのところには直接行けてしまうので、地元の方との交流もなく旅ができてしまうということもあるのですが、特に女性の一人旅は目立ちますし、ストーカーのように付きまとわれる可能性もあります。今回のように一人で秘湯の露天風呂へ行きたいと思った場合、ガイドとして付いていってくれるような人はいないかということも一応聞いてみるのもいいかも知れません。このような事件が未遂もふくめて頻発するようであれば、地元の観光協会の方々にもお願いして秘湯ガイドツアーなどを行なってもらえないか社会的に働きかけをすることも必要ではないかと思ったりもします。
最後に、車中泊をする場所を探す場合、平日休みの方が出掛けられる場合は特にですが、回りに誰もいないような場所というのは避けたほうが無難だと思います。不安を感じられる場合は一緒に行ってくれる人を探すなり、仲間を作るなりしてここで書いた以上の情報や対策をしっかりと仕入れてから出掛けるなどの慎重さも必要です。笑顔で帰るためにも、以上の事をいくらかでも頭に入れた上で出掛けてみていただければと思います。(2010.9.7)
PS 携帯電話というのは確かに外部に緊急連絡するには有効なツールですが、今回の事件のように暴力によって脅され、直接相手に絡まれたような状況の中、冷静に警察などにダイヤルして話ができるのかという問題も当然生じます。電話を掛けると言う行為によって相手を激高させる可能性もあるので、携帯電話があれば大丈夫とは完全には言えない状況もあるでしょう。そこまで心配になる場合は、警備会社の提供する端末を導入するというのも一つの手と言えます。有名なのはセコムの「ココセコム」ですが、こちらの端末はauの携帯電話が繋がるところがサービスエリアになっているため、山奥などへ入って行く際には注意が必要です。それでも、ボタン一押しでいつでも現場急行してくれるというのは、かなりの安心感が出ます。一人で出掛けるには不安だけど、思い切ってどこかへ行ってみたいと思っている方は、こうした端末を導入することも考慮してみるといいでしょう。
車中泊の旅の目的自体が写真撮影である場合、何よりも大事な荷物はカメラおよび関連用品になるため、これから書く法則はあてはまりませんが、どんな車で出掛けるにしても、できるだけ荷物を減らすにこしたことはありません。カメラといってもそのほとんどがデジカメと考えていいと思いますが、どんなデジカメを持っていくべきか考えるだけでも楽しいものです。
画質を考えるとやはり一眼レフのデジカメを持っていきたいところですが、本体だけでなく交換レンズや三脚、外付フラッシュなどをまとめて持っていくということになると結構な荷物になってしまいます。最近ではコンパクトカメラ大のレンズ交換式カメラも出てきましたので、小さくても高画質を求め、さらに荷物の総量を減らすためにはこちらのシステムで揃えた方がいいのかも知れませんが、凝りだしたらきりもありませんし、何よりも他の車中泊用品が揃えられなくなる可能性もあります。お金に余裕があれば最良の選択には違いないかも知れませんが、私は安直にコンパクトデジカメの複数使用で凌いでいます。
一眼レフデジカメと違ってレンズ交換ができないコンパクトデジカメですが、全ての撮影シーンでベストの映像を出してくれるわけではありません。となると、それぞれ特徴の違ったデジカメがあればと考えて使い分けています。具体的には白トビを押さえダイナミックレンジが広いもの、夜間や室内に強いもの、広角か高倍率ズームのどちらかに特化したものなどなどです。複数のデジカメを持っていると、どちらかが故障した場合もそうですが、まさかのバッテリー切れにも対応できます。一眼レフデジカメをメインで使っている方でもサブとして一台コンパクトデジカメを用意しておくと、便利に使えるかも知れません。
ただ、複数のコンパクトデジカメを長期旅行で持ち運ぶ場合、問題となるのがそれぞれ形の違うバッテリーであると言えます。同じメーカーのデジカメであっても、発売時期の違いによって別のバッテリーになってしまいます。そうなると充電器や充電コードもそれぞれのデジカメごとに増えてしまうわけで、荷物を少なくするためのコンパクトデジカメが、充電周りの機材が増えることによって本末転倒になってしまいかねません。そうした状況を改善し、複数のデジカメで長期の車中泊旅行を可能にするのがデジカメバッテリー用の汎用充電器です。写真の製品はリンケージのDC-01W(白)です。ちなみに、色違いの黒の型番はDC-01BKです。
同じような製品は他のメーカーからも出ていますが、どれも充電用の接点が動くことにより多くの違ったデジカメバッテリーにフィットし、充電できるようになっています。単三アルカリ電池2本が付属し、乾電池でメーカーでは70パーセント前後までの充電が可能とのことですが、エネループなどのニッケル水素電池でも動作するようです。また、本体にはUSBのmini-B端子が付いていて、対応のコードを接続することでパソコンなどのUSB端子経由での充電ができます。車内ではシガーソケットをUSB出力に変換するアダプタを導入していれば走行中の充電が可能です。
一つ気を付けたいことは、バッテリー出力が3.6〜3.7Vのバッテリーに限定されているということと、タテ53mmヨコ41mmというサイズ制限があることですが、いわゆるコンパクトデジカメの多くが対応されています。こちらの品物を選んだ理由は、メーカーのホームページに使えるバッテリーの一覧表が載っていたためで、私の持っているデジカメは全てこの充電器で充電できることがわかりました。詳しくはメーカーの商品紹介ページを参照してみてください。
ちなみに、これを書いている2010年7月現在、私が所持しているコンパクトデジカメは、夜景撮影が手持ちでできる驚異のモードを搭載したソニーのDSC-WX1と、10倍ズームで日中の撮影で白飛びしにくく、内臓フラッシュが優秀な富士フィルムのFinePix
F70EXRの2台です。どちらも2009年の夏に発売されたモデルですが、在庫処分時に買ったので、出たばかりの時よりもかなり安く購入できました。一眼レフデジカメと違い、コンパクトデジカメの商品サイクルは早いので、今挙げた特徴をはるかに凌ぐような商品が出たとしても、一眼レフデジカメ本体や交換レンズよりはるかに安く叩き売られるというのが現状です。現在使っているデジカメで十分だと思われる方も多いかも知れませんが、最近の機種は特にビデオカメラ並みの画質を誇る動画撮影機能を搭載したものもありますし、ビデオカメラとの置き換えでコンパクトデジカメを選ばれる方もいるようです。皆さんもぜひ、自分好みのコンパクトデジカメを探してみてくださいね。(2010.7.7)
道の駅や高速道路のサービスエリア・パーキングエリアで長い時間駐車して仮眠を取る事について、以前地元のテレビ局が車中泊についての特集を組んだ際、道の駅の駅長さんにインタビューを取っていました。その方のおっしゃるには、キャンプ行為でなく車内で寝ることについてはそう目くじらを立てるものではないものの、大量のゴミが出るのには閉口するとのこと。できればゴミは自分たちで処理してほしいと訴えていました。日々の生活の中でどうしても出てくるゴミは、旅においてもなくすことはなかなか難しいと思います。今回は、車での旅におけるゴミの減らし方および、ゴミを出さない工夫、効率的なゴミ処理の方法について考えてみようと思います。
改めて車旅におけるゴミはどんなものかというのを考えてみると、お菓子やお弁当、さまざまな食材の包装やトレー、ペットボトルや紙コップ、缶のたぐい、使用したティッシュ、いろいろなところでとりあえずもらってしまう紙類などがあります。あと、携帯トイレの処理したものや紙おむつ、嘔吐物など場合によっては出てきてしまいます。
まず第一に、ゴミを減らすためには基本的に余分なものをもらわないことが大事です。旅先でついついパンフレットをもってきてしまう気持ちはわかりますが、例えばパンフレットをデジカメで撮影するなどしてデジタルデータ化するというのも一つの手です。お土産以外で旅先で食べる食品を買う場合、コンビニやサービスエリアの売店を利用せず、スーパーマーケットを利用すると、店頭に包装用のトレーやペットボトルなどを回収する箱を用意しているところが多くなっています。購入した食品をタッパーなどに移し、食品が入っていたトレーやラップなどを買ったお店で処理できればその分ゴミが減らせます。この方法は高速道路上を移動する際には使えないかも知れませんが、購入の際買った品物から出たゴミについて処理が可能なのか、お店の方に一応は聞いてみてもいいかも知れません。
飲み物を買うとどうしてもかさばるペットボトルや缶、紙コップなどが出ますが、これもマイボトルにその場で移すことで車内に容器を持ち込まないで済みます。コーヒーチェーン店の中にはマイボトルを持参した場合、料金そのものが安くなるところもあり、ごみ減量のためにも利用しない手はありません。私は車のドリンクホルダーに入る、マグカップ型のステンレス容器を使っていますが、水筒と違って簡単に洗えるのが気に入っています。また、お子さんのために飲み物を用意したいような場合、その都度買うのではなく最初に大きめサイズのペットボトルで買っておき、クーラーボックスと併用することでゴミをペットボトル一つに抑えることも可能でしょう。
ただ、このように努力しても全くゴミを出さないようにすることはなかなか難しいものです。旅の日数が増えるにしたがってどんどんゴミがたまっていってしまうのは仕方のないことです。で、ついつい道の駅や高速道路のサービスエリアにあるゴミ箱に直行となってしまうのですが、車での旅の場合、それなりの対価を払う形でゴミ処理を行ってくれる可能性のある場所があります。それが主にセルフサービスでないガソリンスタンドなのですね。
ただし注意してほしいのは、どのガソリンスタンドでも無条件にゴミ処理を行なってくれるとは限らないということです。高速道路のサービスエリアではゴールデンウィークに利用した際、給油のための渋滞が引き起こされていたため、給油以外のサービスについては行なっていないところがほとんどでした。繁忙期以外にはやってくれるかも知れませんが、混雑時に出掛けようとなさっている方は注意してください。また、下道に入ってセルフでないガソリンスタンドを見付けたとしても、ガソリン価格をセルフスタンドと対抗させるため、ゴミ処理などのサービスを省略しているところもあります。旅先での給油は早め早めが基本です。とりあえず入ったガソリンスタンドでゴミ処理を断られたとしても、後のところでもまた聞いてみたり、逆に給油前にゴミ処理が可能か聞いてから給油をお願いするとかいう方法もあります。
また、ゴミの出し方にも気を付けてください。飲み物は飲みきり、弁当などはできるだけ食べ切るようにし、生ゴミを出さないようにするとか、リサイクル可能なものは上で挙げたような形できちんと処理をするようにしましょう。そして紙おむつや携帯トイレを処理してもらう際には必ずその種のものであることを申告し、紙おむつの場合は汚物をトイレで処理して臭いについても薬剤などで臭わないようにするなど、もし処理をしていただけるのならできるだけ負担がかからない状態で渡すことが重要です。ゴミの種類によっては断られることも当然ありますので、その場合は持ち帰って自宅で処理するものと腹をくくりましょう。
普段生活していて、ゴミ処理は有料であるという意識がないという方もおられることでしょう。家庭ごみの収集については、市民税の負担によって行なわれているものであり、決して無償ではありません。それは、旅先でも同様です。ゴミを出したものを大量に捨てていくような形での旅は、その土地の方にちゃんと見られています。くれぐれも土地の方とトラブルを起こさないよう「来た時よりも美しく」という言葉を頭の中に入れて出掛けたいものですね。(2010.6.16)
キャンプ場を使わないで車中泊をする場合、どうしても道の駅や高速道路のサービスエリア・バーキングエリアで長時間駐車する事が多くなってしまいます。その際、キャンプ用の調理器具を出して食事の用意をするような事は果たしてどうなのでしょうか。以前も書いたことがありましたが、車内での火器使用というのは状況によっては危険な側面もあり、テーブルなどを出して外で調理することは安全性の面からの行動には違いないでしょう。しかし、周りの駐車スペースを侵害したり、結果的に長時間撤収できずに居座るような印象を周りの車に持たれることになります。最近は道の駅の中にもあからさまなキャンプ行為について自粛を呼び掛けるようなところも出てきました。となると、野営のできる場所でない公共の場所で車中泊をするときには、ほとんど自分で調理をするような食事は無理ということになってしまいます。極端な話、お湯すらも沸かすことができない状況の中で車中泊をしておられる方々も多いことでしょう。
もちろん、車内で火器を使わなくとも給湯器などで調達したお湯を保温水筒で持ち運ぶなどの手段はありますが、お茶くらいなら前の日に入れたものを翌朝に飲むことはできますが、カップラーメンのようなものは少々無理でしょう。そうするとおのずと、車中泊での食事は外食や弁当などに限定されるようになってしまいます。暖かいものを車中で簡単に調理して食べるための方法はないものでしょうか。かくいう私も、道の駅やSAPAでの調理というものはほとんど諦めていたのですが、あくまで一つの可能性ということで、走行中やアイドリングをしながら使えるようインバーターを介して使える、電気を使った調理器具の導入について考えてみました。ちなみに、車のエンジンを切ってこれら電化製品を使うとみるみるバッテリーの出力が落ち、始動できなるなる可能性があります。電化製品を使いたいと思われる方はバッテリーのチェックと、迷惑にならない程度の時間で調理し終えることを心掛けるようにしたいものです。
車内で電化製品を使うためには、車内用に作られたものをのぞいて、家庭用コンセントが使えるようインバーターを導入する必要があります。一口にインバーターと言ってもさまざまな種類があるのをご存知でしょうか。家庭用電源に近いところまで変換する正弦波(サイン波)インバーターは多くの家電製品に対応するので安心して使えますが価格が高く、擬似正弦波(矩形波)インバーターはカー用品売場でよく見掛けるものでありもので安価ですが、照明などには問題ありませんが、電気毛布や炊飯器などマイコンで動作を制御しているものの中には動かないものもあります。一般的には安い矩形波のインバーターを導入し、本体に組み込まれたマイコンによる複雑な制御を行なわない電化製品を車内用に導入するのがいいだろうと思います。
インバーターにはまた、出力の違いで値段が違ってきます。これは単純にワット数が低いものは安いのですが、これはどういう調理家電を車内で使うかによってどの程度の出力のものを買うか決まってくるでしょう。500ワット程度あればさまざまな家電製品が使えますが、売れ筋の300〜400ワットくらいでも何とかなるかも知れません。とりあえずネット上で調べた消費電力の少ない調理家電を紹介しておきますので参考になさってみてください。なお、インバーターにもさまざまな種類があり、組み合わせによっては動かないものもあるかも知れません。元々、車の中で使うことを前提に作られたものではないということをご確認の上、検討される資料となれば幸いです。(2010.6.6現在インターネットで購入できるもの)
・象印 CH-CE10 消費電力430W(湯沸し時)
保温も付いて転倒時の湯漏れ防止機能もあるので、設置に注意すれば走行時にいつでもお湯を用意することが可能。ただ、消費電力が多いので高出力のインバーターを用意した方がいいかも知れません。
・ツインバード TP-4413BL 消費電力405W(湯沸し時)24W(保温時)
上記の象印のものと同じく1リットルのポット。サイトでは約15分で沸騰とのこと。象印のものに比べて多少消費電力が少ないのでインバーターの数値によってはこちらの方がいいかも。
・SANYO
トラベルポット U-TS500AV(L) 消費電力205W(日本国内)
上記2機種より半分の消費電力でお湯の沸く、主に海外旅行用に開発された電気ポットです。ただ、お湯を沸かすときにポット周辺が熱くなる材質を使っているようなので、走行中に使用することは難しいかも知れません。容量は500ccと上記機種の半分なので注意してください。
・象印 NS-NR05P 消費電力280W
こちらの炊飯器は3合炊きなので、ご家族での利用にも十分でしょう。保温も可で無洗米コースもあるということで、インバーターの出力と収納場所さえ許せばかなり便利に使えそうな気がします。 前モデルのNS-ND0との違いとして、型番末尾のPが付いていますが、ディズニーキャラクターの「くまのプーさん」の意で、炊き上がりにはそのメロディが流れるとか(^^)。電気炊飯器は炊飯だけでなく、インスタントラーメンを作ったりホットケーキを焼いたりという特自の調理法も紹介されているサイトもあるようです。分離式のトラベルクッカーより、車で利用することを考えると電気炊飯器を車内クッカーとして使った方がいいような気がします。これは、以下に紹介する炊飯器でも同様です。
・クマザキエイム ライスクッカー KC2628 消費電力250W
こちらの炊飯器は小型で1.5合の容量です。サイズがかなり小さく、車の積載も場所を取りません。保温も可能で、2人までの利用なら十分でしょう。とにかくミニマムパッケージで車中泊の装備を揃えたい方に向いているような気がします。
・パナソニック ミニクッカー SR-03GP
消費電力200W
こちらの形状は、昔懐かしい電気炊飯器の形状そのものです。ただ、メーカーの分類を見ると電気炊飯器のくくりにはなっているものの「ミニクッカー」となっています。蓋がガラスになっており、蓋をあけなくても中の様子が見られるということで、炊飯だけでなく鍋としての利用もしやすくなっています(沸騰するまで蓋をしておけるので)。容量は1.5合で保温の機能はないようです。クッカーとしての使い勝手と消費電力の小ささでバランスが取れた機種だと思います。
ここでは通り一遍の紹介にとどめますが、また改めて実戦用にこれらの中から数点揃える予定にしています。その際にはもう少し詳細な報告を挙げられると思います。(2010.6.6)
車中泊を目的とした長距離のドライブには、さまざまな想定外のトラブルが起こり得ます。幸いにしてまだ私は重大なトラブルに遭遇したことはありませんが、それでも自力で何とかできるように準備だけはしっかりして出発しようと思っています。それでも想定外なことは起こるもので、2010年ゴールデンウィークの旅では、高速道路の交通集中による渋滞には参ってしまいました。延々と渋滞が続き、本来は休息施設であるはずのサービスエリア・パーキングエリア入口から本線部分にかけて渋滞を引き起こしている状況が続いていました。その際はとにかく渋滞を抜けるまではと気合いで走り、ようやく渋滞が終わったところでサービスエリアへ入ることができたのでした。
幸いにしてその時にはトイレを求めて右往左往するような状況ではなかったのですが、もしそうした状況だったらと思うとぞっとします。サービスエリアに入ってもどこにも駐車できず、そうこうするうち後ろにも車の列ができ、身動きが取れないままトイレに行けないような状況はゴールデンウィークの限られた期間ではありますが現実に起こり得そうな事ではあります。
運転をしたまま停車することもできないというのはいささか極端な例かも知れませんが、どこにもトイレを見付けられなくて極限状況に陥ってしまうという危険性は多少なりとも考えておくべきだとしみじみ思いました。車内のトイレの用意について考える時、女性の場合、トイレのある駐車場に車中泊している場合でも、夜中に外に出ること自体が危険だという考え方もありますし、子供が急に想定外の状況でトイレに行きたいとか、気持ち悪くなって吐きそうだなどと言い出す可能性もあります。急な場合でもあわてずに対応するためには、やはり最小限であってもトイレの用意は必要なのではないかと思います。
嘔吐および排泄を車内でするということになると、出された汚物をどのように処理するかということが問題になってきます。紙おむつは介護用として大人用のものもあり、装着しておけば車内を汚すことはありませんが、臭いは出てしまいます。また、紙おむつそのものをトイレに流すことはできず、人目を気にしながら処理する必要に迫られてしまいます。一人旅ならそれでもいいと割り切れるなら、走行中の体調急変にも対応できるものとして考慮の余地はあるでしょう。
次に、ポータブルトイレや携帯トイレの類があります。大小用とさまざまな種類はありますが、消臭剤でにおいを消し、密封したり固めたりして処理できるようになっています。ただ、走行中に使用するのははなはだ危険であり、安全なところに停車して使うにしても周りから見えないように車内のスペースを確保する必要があります。予算と設置場所さえ許されるなら、水を使って流すことのできるポータブルトイレがおすすめでしょうが、さすがに私のワゴンRに積載するには大きすぎます。
小用だけなら携帯トイレの小さいもので用が足りるのでそれほど嵩張りませんが、大となると限られたスペースの中で設置できるものを選ぶ必要があります。かくいう私もまだ準備していないのでこれだという確証はないのですが、一つ気になる製品があります。
車のシートの上で使えるように作られたもののようなので、大人が使って不具合はないのかどうか改めてこちらのページで紹介できればと思っています。ちなみに、私の場合車内でトイレを使用するというのは、よほどの緊急事態でなければ使わないとは思います。長距離運転の場合はこまめに休憩を取り、体調が優れない場合は無理をせず、なるべくならこうした準備が使われないように旅ができればと思っています。(2010.6.3)
2010年5月のゴールデンウィークの旅は、このページで紹介することを前提として、できるだけ旅の記録を付けることを心がけました。データを元に書き進めていったら、ついつい原稿用紙換算で50枚にまで膨らんでしまいましたが、ほとんど中味がないのがつらいところです。ただ、これらのレポートは旅行中に書いたものではなく、帰ってきてから改めて書いたものです。レシートやパンフレット、メモなどの形に残るデータはまだしも、旅の際中で起こった出来事や自分自身の感情など、記録に残すのも難しいですし、後から思い出そうにも忘れてしまっていて悔しい思いをした方もおられるかも知れません。今回の旅では当初からそういうことは狙っていなかったのですが、たまたま持っていっていることを思い出したあるものが大活躍してくれました。
列車での旅などでは移動中にパソコンなどを開いて旅行記を書きながら進むということはよくやっていましたが、自分で運転する旅の場合、移動中は書けませんし、目的地に着いたときにはかなり疲れていて、ちょっとした調べものやメールチェックぐらいがいいところです。朝は朝で、早めの行動をするためには、貴重な朝の時間をパソコンを開いて旅行記を書くこと自体が勿体無いと思いました。
今回の旅の記録はデジタルカメラとともに、ICレコーダーが大活躍してくれました。使うのは主に車の中で、日付と時間、場所を吹き込み、気付いたところ、確認したデータなどを結構まめに入れていました。だいたい一回に吹き込む時間はせいぜい数分がいいところなので、帰ってからレコーダーに録音した内容を聞きながら書いていくと、改めてそこでのことを思い出して詳しく書くことができました。
今回は一人旅なので吹き込んでいる姿を外から見られたら恥ずかしいものがありますが、家族旅行などでは子供たちを巻き込んで、インタビュー形式で吹き込んでみるとか、なかなかおもしろい音の記録としても思い出になるかも知れません。同行者にレコーダーを操作してもらえば、運転中のおしゃべりも記録できますし、そうして録音したファイルはパソコンを経由してCDに焼いてもいいですし、アルバムやビデオとは違った旅の記録になるでしょう。むしろ私のようにレポートを書くためにレコーダーを使う方が邪道なので、自分や家族だけで楽しむために簡単にできる旅の記録の方法としておすすめしておきます。
なお、こうした用途で使うICレコーダーについては、はっきりいってどんなものでも構わないと思います。ただ、レコーダーからパソコンに移し、残しておきたいという用途の場合は、USBで簡単にパソコンにつながり、録音形式にmp3を採用しているものの方が何の変換作業もしないでいいのでおすすめです。ICレコーダーというと、最近では自分の身を守るために密かに録音するものといった印象もありますが、気軽に旅のメモ代わりとして車中泊の旅の記録を取ってみてはいかがでしょうか。(2010.5.15)
(追記)
少々考えるところがあって、ICレコーダーを買い換えることにしました。機種はSANYOのICR-PS502RMという型番のものですが、コストパフォーマンスの良い機種として認知されているものです。新たに購入したポイントは実はレコーダーとしての性能ではない部分だったりします。CDから取り込んだmp3形式の音楽ファイルの液晶表示が可能で、アルバム別だけでなく全曲ランダム再生も可能と、ミュージックプレーヤーとしての使い勝手も向上しています。車の中ではFMトランスミッターから飛ばしてラジオで聴いているのですが、多少出力不足という問題点はあるものの、microSDカード別に音楽を入れかえることができ、さらには本体内にあるスピーカー(モノラルですが)からも聴けるという点は専用品にない特徴であるとも言えます。また、この機種の特徴として本体に内蔵されているUSB端子を通じての充電や外部電源起動(同時に行なうことは不可)もできます。使っている電池は単四電池一本なので、100円ショップなどでアルカリ単四電池を買っておけば充電しないで使うこともできますし(製品には充電式のエネループが一本付属しています)、これはむしろ充電する環境がないところへ長期間行くような場合にも役に立つでしょう。少なくとも、本体に内蔵されている充電池の性能が低下したら修理扱いになるものよりも、個人的には旅に向いているのではないかと思っています。今後ますますミュージックプレーヤーとICレコーダーの垣根がなくなっていくように思いますが、今後も乾電池駆動、内蔵スピーカーの有無で機種を選ぶようになるのは変わらないでしょう。車内で音楽を聴くにはさまざまな方法がありますが、単なるプレーヤーだけでなく旅の記録としても使えるICレコーダーという選択肢もあるということを覚えておいて損はないと思います。(2010.7.10)
ゴールデンウィークや夏休みに長期の車中泊による旅の計画を立てている方も多いだろうと思いますが、旅自体が日常生活から違ったものになるため、体調管理には気を付けたいものです。
旅の準備として、簡単な応急処置ができるくらいの医薬品は持っていった方がいいと思いますが、最近ではコンビニで小分けされた医薬品が安く売られていることも多く、持病の薬以外については、何とか旅先でも調達可能な場面も多いとは思います。もちろん、行き先によっては薬局はおろかお店なども近くにはないようなところもありますから、長期にわたる車中泊の旅に出掛ける前にはちゃんと準備することも必要でしょう。今回は医薬品の類の話ではなく、体調の変化を自分で感じ取るために便利なものについて考察してみたいと思います。
お子さん連れの場合、大人よりも周りの環境に影響されやすいということがあります。体温計は常備し、ちょっと熱っぽいなと感じたらすぐに測って日常との違いが出たらすぐに対処できる体制を整えたいものです。これにはやはり、子供の平熱はどのくらいなのかといった認識が必要で、旅先でだけ測るということではなく、常日頃からデータによるおおよその体調管理をしていると、大きなトラブルになる前に適切な対処ができると思います。体温計は様々な種類がありますが、ごく一般的なもので十分でしょう。
このコラムでも以前話題にしました「エコノミークラス症候群」ですが、十分な休息と水分補給をしていれば、それほど心配することはないと書きました。とはいっても、小さいお子さんもそうですし、我慢してなかなか体調の悪いことを言わない大人もいます(^^;)。自分一人でも渋滞に巻き込まれてしまって、結構無理をして車を走らせることもありますし、客観的な数値で体調を管理する必要性を感じている方もいらっしゃるでしょう。こういう方に一つの提案として、血圧計を車に常備してはどうかと思います。
高血圧で、主に中高年の方々に血圧を測ることが日課となっていらっしゃる方だけではなく、体調の変化が血圧の数値に表れることもあると言います。これも、日常生活の中でどれくらいの値を示しているのかを把握することが大前提ですが、エコノミークラス症候群はそれこそ血流の流れに関するトラブルであるため、血圧の値を把握することで対処することが可能ではないかと思います。血圧計にはさまざまな種類があり、腕に巻くものだけでなく、手首に付けて簡単に測れるものもあります。今まで血圧なんて気にしなかった方も、旅行へ行くことを機に導入するだけの価値は少なくないのではないでしょうか。
ちなみに、私が導入した車に常備する血圧計は写真のA&D社の上腕式コンパクトモデル、UA-704です。空気を手動で入れることで電池の消耗を抑え、単三電池1本で動作します。サイズも写真でお分かりの通り、A4サイズの雑誌と比べてもコンパクトに収納できます。キャリングバッグが付属するので車の空いたスペースに放り込んでおけます。価格も私が買ったところでも2,000円前後と、安価なのが嬉しいです(^^)。
日頃の数値を知った上で、旅先で朝と夜に測定していれば、その日の体調をそこそこ把握でき、一日の行動の予定を立てる時にも役立ちます。中高年の方だけではなく、体力に自信のある若い方も導入を検討されてみてはと思うのですが。(2010.4.22)
まず最初にお断りしますが、これから書く保険についての内容は、保険会社ごとに提供するサービスがまちまちで、また時間の経過とともにサービスが消滅したり新たなサービスとして提供される場合が今後起こり得ます。こちらの提供する情報自体が最新のものと違う可能性もありますので、以下の内容を参考になさって保険の契約や見直しをされる場合は必ず最新の情報におけるサービスを確認していただくとともに、目的のサービスが本当に受けられるのかの確認を保険会社などを通して十分に行なって下さい。こちらの情報を元にして何らかの不都合が起こったとしても、その損害をこちらで負担することはできませんのでどうぞ御了承下さい。
という前置きの上に、車中泊での旅におけるトラブル回避のための保険について考えてみることにします。私たちは車を運転する時には自動車保険に入りいざという時の備えとするわけですが、ここでは対人や対物、ケガの保険など基本的な内容についてはクリアされているという前提で考えていきます。
まず最初に確認しておかなくてはいかないことは、果たして自分の車が任意保険に入れるかということです。普通車や小型車、軽自動車をそのまま使うのならどこの保険会社でも問題ないと思いますが、いわゆるキャンピングカーや、多少改造を施して8ナンバーを取っているような車の場合、今の車との乗せ替えは可能なのか、新規で入ることができるのかは保険会社の方針によって変わってくる場合があると言われています。私は普通の軽自動車ですのでこうした経験はありませんが、キャンピングカーに乗られている方のブログなどを拝見すると、普通車からの乗せ替えを断られたケースもあることがわかりました。特にキャンピングカー内部の装備や内装も含めて保険に入りたい場合、ベース車の車両価格とは別に内装や電源・暖房などの装備と合わせた金額で保険を契約する必要があります。万が一の時、そうした装備についても保険を掛けておかないと、車は直ってもキャンピングカーとして中の装備を使えないような状況も考えられます。キャンピングカーはその大きさのため、普通車に比べると左右だけでなく上下にもついうっかりと損傷してしまう可能性を考えておかなければいけません(車両保険でもフルカバータイプでないエコノミーの保険では自分の運転ミスについては保険が下りません)。キャンピングカーの保険はそう考えるとかなり高額になってしまいますが、そうしたコストを含めたうえで購入を検討されるといいでしょう。
次に、市販車をそのまま改造なしに使って車中泊する場合ですが、ここでも車両保険をフルカバータイプにするかかエコノミーにするかの選択になるでしょう。また、車両保険を付ける場合、万が一保険を使う際の自己負担金をいくらにするかという問題もあります。私はできるならば、事故の際の負担はできるだけしない方がいいと思いますので、車両保険に入ろうと思われるのなら自己負担0円での契約を推奨します。エコノミーの車両保険では主に車同士での事故しか補償されませんが、ガラス破損も対象になっているところが多いです。高速道路やバイパスを走行中に、飛び石でフロントガラス破損ということになっても自己負担が出ず安心ですので、保険料の差が許容できるならおすすめです。
車両の損害とは別に、車の中にさまざまなキャンプ用品を積載して出掛けられる方には、車の中やキャリアに正しく積まれた身の回り品の損害を補償するオプションプランもあります。ただ、保険会社によっては車両保険のタイプに準じる(エコノミーの車両保険に入っていた場合、運転ミスで車中に入れておいたものが壊れても対象外)というところもあるようです。これについても今自分が入っている保険会社ではどうなのか確認した上で入られると安心でしょう。
自動車保険全般の話についてはこれ以上しませんが、あと、保険のサービスとして便利なものに、故障を含めたロードサービスがあります。これも、保険会社によってサービスはまちまちで、保険の内容よりもロードサービスの充実した保険会社に入るという選択もあながち間違いではないでしょう。車中泊で遠方へ旅行へ行く場合、旅先でのトラブルでレッカー移動ということになった場合、自宅周辺ではなく現地周辺で修理工場を探すということになると思います。それでも、山の中などで故障し、市街地まで何十キロというところだとしたらレッカー代をいくらまで、あるいは何キロまで無料で使えるのかというのは保険を選ぶ上での判断基準となるでしょう。さらに、現地で修理するにも応急措置で走ることができない場合は、車を置いて帰ってくるような状況も考えられます。その場合の帰宅費用や引き取り費用についても考えておくにこしたことはありません。全て保険に付属のロードサービスでまかなうことは難しいとは思いますが、その場合は独立したロードサービスとの併用を検討する余地もあるでしょう。ロードサービスに帰宅費用や引取り費用がない場合、自動車保険のサービスの中で、オプション契約で一般的な事故・故障の際にレンタカーを出してくれるものがあります。このように書いていくといくらお金があっても足りないと思われるかも知れませんが、ともあれ、旅の前には物の準備だけでなく、自動車保険の契約内容を今一度確認するような準備も意外とと大切ではないかと思います。
最後に、これはあまり考えたくないですが、車内で寝るということで常に犯罪に巻き込まれる可能性もなくはありません。また、観光地などでは車上荒らしの被害に遭うことも頭の片隅に一つの可能性としておいておく必要があるでしょう。車上荒らしでドアを壊されたような場合は、フルカバータイプの車両保険へ入っていないと犯人が見つからない限り修理費などは自腹となりますのでその点も考慮しましょう。就寝中に襲わるリスクを減らすためには、逃走経路が限られるのであまり無茶なことはしないと考えられる高速道路のサービスエリア・パーキングエリアの利用を奨めますが(実際に被害に遭っても、警察に連絡すればインター閉鎖などの手段によって逃走経路を遮断することができるため)、そういつも高速道路の近くで車中泊できるとも限りません。私が調べた範囲では、犯罪被害に関する入通院も含めた保険はJCBゴールドカードにもれなく付いてくる保険ぐらいしか知りませんが、身体被害については一般的なケガの保険(交通事故限定のものでは保険が出ませんのでご注意を)で対応できます。ただ、単発でいいなら国内旅行保険(海外旅行保険とは別の保険です)に事前に入ってから出掛けるというのもおすすめです。契約タイプによってはケガだけでなく、持ち物の損害や、車内に置いておいたカバンからお金を盗まれたような場合でも、金額の制限はありますが内容によっては損害額の一部が保険で支払われる場合もあります。その都度申し込むのが面倒ではありますが、インターネットで申込みできる保険会社もあるようです。さまざまな旅先における危険を考えながら、ご自身の車中泊の旅に合った保険をさがしてみてください。(2010.1.19)
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