車中泊をしようと思う時、まず重要な存在なのがマットであるというのは多くの人たちが賛同するところでしょう。段差を埋め、違和感なく眠りにつくためには、マット選びというのはどこまでいっても理想のものは見つからないのではないかとすら思えます。そんな中、非常に興味深いものを見付けました。長時間の移動中に就寝せざるを得ない乗り物の中で、快適さを追求するものといえば、夜行バスではなくて(^^;)、飛行機だと言えると思います。2010年4月からANAの国際線ファーストクラスにおけるお休み時のマットレスパッドに採用されたものを、家庭用にアレンジして一般に発売されたのが、エアウィーヴの「airpad 016」という型番のコンパクトマットです。商品の宣伝ではないので製品へのリンクはしませんが、ベッドに敷けるだけの大きさの製品は腰への負担が少ないということらしくオリンピック選手の利用実績もあると言います。私が注目したのはそのサイズでした。上の写真のように、キャンプ用マットの上にのせて使うのにジャストサイズの幅50センチ長さ170センチ厚さ2センチとなっています。別のページでキャンプ用のZ-Liteとウレタンマットとの組み合わせを紹介していますが、同じように使うことでワゴンRの車内で飛行機のファーストクラスの寝心地を体感できるのかどうかという期待とともについつい注文してしまった次第です(^^;)。ここでは、airpad 016のレビューと車中泊での使い方について紹介していこうと思います。(2010.5.26)
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こちらがマットレスパッドの内部になります。ポリエチレンがかなり複雑に絡まっているのが性能の秘密なのだとか。素材の90パーセント以上が空気なので、通気性が良く丸洗いも可能とのこと。厚さは2センチということですがかなり薄く感じました。使用上の注意として、「板の間等に直接1枚で使用された場合、本来の寝心地が得られなくなります」とありますが、まさにそんな感じです。ですから、車中泊で使う場合、板で寝床を作っている時には必ずその間に何らかのマットを挟んだ方がいいでしょう。 |
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airpad 016には収納と持ち運びに便利なケースが付属しています。ケースに収納した際のサイズは、高さ43センチ幅51センチ厚さ11センチで、ワゴンRの後部荷台の右半分にきっちりと収納できます。ウレタンの折りたたみマットレスと比べてもかなり小さいサイズで収納できる印象です。 |
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上の写真でairpad 016を入れたところに20リットルのクーラーボックスを押し込んで、収納が完了しました。もちろん、クーラーボックスのスペースに別の荷物を押し込んでもいいのですが、かなり余裕を持って収納できます。 |
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今回、このマットの特徴を生かすべく、ワゴンRで2名就寝プランを考えてみました。助手席側は平らなスペースを作って前方に頭を向けて寝るとして、運転席側で就寝スペースを作るには、リクライニングさせて後部座席とつなぐフルフラットシートを作ることになります。ここにairpad 016を写真のように敷く事で、シートにはまっている感じにはなるものの、シートそのものに寝るよりはかなり快適になりました。ただし、この状態のまま運転することはできませんのでご注意のほどを。 |
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さらに快適性を上げるために、折りたたみ式のマットを下に敷いてみました。マットの長さは170センチということで、身長がそれ以下の方ならそれほど窮屈な思いをすることはないでしょう。ちなみに私の身長は175センチですが、頭の部分にクッションを置くなどして工夫すれば何とか大丈夫でした。この組み合わせは助手席側のベッドメイキングには劣ると思いますが、単にシートを倒して寝るよりも相当快適度はアップします。ワゴンRで2人で車中泊というのはちょっと厳しいかなと思っていたのですが、これならば何とかなるかなと感じますね。airpad 016の寝やすさや腰への影響などは今後使っていく中で評価していくことになると思いますが、寝た感じはそう悪くありません。定価の23,100円が高いか安いかは就寝環境を作ることにおけるその人の意識によって変わってくると思います。 |
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このように、ワゴンRで2名就寝できるセッティングをしてみました。この写真では助手席側にairpad 016を敷いてみましたが、寝返りも楽で、快適に横になることができました。今回紹介したマットに限ったことではなく、純粋に平らにならないフルフラットシートであっても、さまざまな工夫で快適な環境は構築可能であると思えます。同じ軽自動車で、アルトやミラのような車でも、いろいろ試してみると幸せになるかも知れません。 |
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