ともあれ、このお風呂をご覧ください。大きな窓から日の光が入り、五つの浴槽にはこんこんとお湯がわき出ています。ここは群馬県にある四万{しま}温泉『積善館本館』の『元禄の湯』で、群馬県の近代化遺産に指定されているという1929年建築のものです。この旅館では江戸時代から残る建物も広く宿泊客に開放しているので、いろんな古い建物を写真に収めてきました。もちろんサービス満点の近代的な建物の新館もあるのですが、それだと宿泊費が高いので(^^;)、古いけど安い(一人から一泊二食7500円均一)本館に宿泊しました。まさに江戸時代にタイムスリップした感覚を味わってきたのですが、そのさわりだけでも皆さんに感じていただければ幸いです。
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正面の建物が本館です。これが建築されてから300年も経っているというから驚くじゃありませんか。もっとびっくりしたのは、きれいに磨き上げてあるフロントは、靴を履いたまま上がっていいとのこと。ついこういう旅館だと履き物を脱がなくてはと思ってしまったのですが、全く意外でした。ここからはいると、まるで迷路のように様々なところに行くことができます。 |
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ちょっと暗くて見にくいですが、右側に大きな金庫がおいてあります。金庫自体は明治時代以降のものでしょうが、まったく時代劇に出てくるような帳場です。しかし、今は見せる専門で使われてはいないようですが。 |
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最初の写真の玄関から入って、二階へと上がって来ました。古い建物で、群馬県の重要文化財にも指定されているとのことで、ここでの喫煙は厳禁だそうです。両側が部屋になっていますが、部屋と部屋の間は襖で仕切られているだけで、江戸の当時がしのばれます。現在は日帰り入浴の人の休憩に利用されているそうで、この部屋で昼食をとりながら、ゆっくりできるそうです。しかし、廊下を歩くとギシギシとものすごい音がして、床を踏み抜いたらどうしようと思っていました(^^;)。 |
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これらの部屋は、当然ながら昔からそういい部屋ではなかったらしく、これも小さくて見にくいですが『三等室』の文字が。しかし三等室であっても、300年という時が経てば、それなりの趣が出るものです。昔はこの四万温泉は、安い値段で滞在できる湯治場として栄えたところです。今でも安価で泊まれるというのは、建物だけではなく宿の方でも昔の良いところを守っているからなのでしょうね。 |
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この建物が、最初に写真で紹介した『元禄風呂』がある建物です。一番下にアーチ状の窓がありますが、そこが風呂で上が客室なのですが現在では使われていないようです。でも、中の方へ行くことは可能だったので、探検に行ってきたのですが、やっぱり使ってないこともあるのかがらーんとしていました。こうして外から見ていると、誰か泊まっていそうなのですがね。 |
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上の建物の前には川が流れているのですが、その川を渡している屋根付きの橋です。渡っていった先には客室のある建物があるのですが、これも現在は使われていません。宿泊の際はこの橋というか渡り廊下を歩くことは可能です。しかし、夜はさすがに真っ暗になるのでちょっと気味が悪いですね。でも、この旅館全般に言えるかも知れませんが、ちょっとした肝試しには打ってつけの感があります(^^;)。 |
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今回は本館しか紹介していませんが、泊まり賃の高い新館のお風呂や施設を、安く泊まっている方からも利用することができます。単純に温泉だけを楽しみたいというのなら、それで十分ですものね。このトンネルの先にはエレベーターがあって、それに乗ると新館の方に行くことができます。まさに現代と江戸時代の建物を結ぶ、タイムトンネルであるといえるでしょう。 |
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最後に、温泉とは全然関係がありませんが(^^;)、旅館の前にあった道路標識を写してきました。左下の『!』マークはそうそう見られないとテレビでやっていたのですが、四万温泉に来るまでの片側通行の道には、必ずこのマークがありました。群馬県はびっくりマークが好きなのでしょうか、謎が残ります(^^)。 |
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