その4(2009.5.1〜5.4)

 

金倉寺

 一年ぶりのご無沙汰で、いよいよラストスパートです。76番札所の金倉寺の山門にやってきました。前日の渋滞で実際は5月2日のお昼からのスタートでした。山門前やお寺の裏に美味しそうなうどん屋さんがあったのですが、とにかくお寺を回るために我慢してのスタートとなりました。

高照院

 淡々と進みながら79番の高照院までやってきました。ここは駐車場がなく、入口正面に路上駐車したのですが、駐車協力金ということで200円を払ってきました。車の遍路は邪道という考えもあるかも知れませんが、私のようないつ行けるかわからない人にとっては駐車場の整備は欠かせないと思います。

根香寺

 いつも行くのが5月のゴールデンウィークになるので、季節的には花よりも新緑が美しい季節にあたります。今回一番印象に残ったのは、82番札所の根香寺でした。参道のいたるところが青々としていて、実にすがすがしい気分にさせていただきました。

一宮寺

 お遍路自体、急いで回るものではありません。お札を納め、本堂と大師堂で般若心経を唱え、納経堂で御朱印をいただくとどんなに急いでもそれなりの時間はかかってしまうのですね。御朱印は午前7時から午後5時までと決まっているので、今回はここ83番一宮寺で終了です。

屋島からの展望

 翌日は84番の屋島寺からスタートです。屋島山頂にあるこのお寺は、車の場合、有料道路を経由しなければならないのですが、夜間は閉鎖されていて、朝6時30からとのこと。前日高松市内の道の駅で車中泊だったので、少々早く着きすぎて、しばらく待つはめになりました。それでも、7時前に山頂まで着いてしまったので、日中には瓦投げを楽しめる展望台まで散歩しました。霞がかかっていて遠方は見づらいですが絶景です。

屋島寺

 そしてこちらが屋島寺です。歴史を感じさせる古い建物でした。

八栗寺ケーブルカー乗り場

 屋島に続いて山登りが続きます。85番の八栗寺へと続くケーブルカー乗り場までやってきました。

ケーブルカーからみた勾配

 朝8時15分の便に乗り込みましたが、ケーブルカー先頭から見るとかなりの急勾配が長く続くことがわかりますね。

下りケーブルカー

 丁度中間地点が二股に分かれていて、すれ違いを止まらないですることができるようになっています。

すれ違い

 下りでやってきたケーブルカーとすれ違います。ちなみに、私の乗っているのは緑色のもので、色違いになっています。料金は往復で900円でした。

八栗寺本堂

 ケーブルカーを降りてしばし歩き、この本堂へとやってきました。葵の御紋が目立ちますが、高松藩の松平頼重侯が再建したということで、こういったことになっているとのこと。

御成門

 ケーブルカーに同乗していたのは何やら土産物屋さんなど関係者が多くいたように思いましたが、その中の方の一人に突然話しかけられました。辺りかまわず写真を撮っていたので(^^;)、「写真を撮るのなら、本坊の中の御成門が古いから撮った方がいい」とのこと。実はこの方は納経堂で御朱印を書いてくれる方だったのでした。江戸期高松藩主のお成りの時にお通りになられた門とのことで、かなり由緒正しいもので、声を掛けられなかったら素通りしてしまったでしょうね。

長尾寺

 そして、ようやく87番札所、長尾寺までたどり着きました。あと一つというところですが、最後の大窪寺までは今までとは違い少しばかり距離があります。車で行けばすぐなのですが、それでも多少時間はかかりますので、その間に今までの事がいろいろと思い出されました。

大窪寺山門

 ついに88番札所、大窪寺の山門までやってきました。映像や写真では見ていたものの、実際に目のあたりにしてみて、感慨深いものがあります。

奉納杖

 さすが最後の札所というだけあって、これまで長い道のりを歩いてきた杖を奉納される場所があります。今回も歩き遍路の方には多くお会いしましたが、本当に頭の下がる思いです。

大窪寺本堂

 本堂前では御詠歌をうたっている方々がいて、改めてここは最後の地なんだなあという実感がしていました。御朱印はこれで88ヶ所分そろいました。本当に長く、このページで紹介した分だけでも4回に分けて、しかも7年もかかっています。諦めないで回れたということと、途中大きな事故もなく回ってこられたというのは本当にありがたい事だったと思います。

山田うどん

 これでようやくうどんにありつけるということで、元来た道をひき返し、ちょうど85番の八栗寺ケーブルの手前にあるうどん店、山田家を目指したのですが、時間が12時を回っていたこともあってか八栗寺への登り道が大渋滞を起こしていました。これではうどん目的でなく純粋に八栗寺へ来た人は迷惑この上ないですね。30分ぐらい待ってやっと駐車場までたどり着いたのですが……。

山田家内部

 暖簾をくぐるとこのような激込みで、外で食べるにしても1時間以上は待たねばならないとのこと。ゴールデンウイークには他の有名店でもものすごい行列が起き、山越が2千人の行列とか(^^;)、谷川米穀店があまりの人の多さに渋滞を心配し(渋滞すると地元の人に迷惑がかかる)、臨時休業にしたとか後になってそんな話が聞こえてきましたが、さすがに数時間も待つ気力はなかったのでさっさとおみやげうどんだけを購入して帰ってきました。

うどんこ丸

 これではいわゆるガイドブックに載っている有名店ではしょうがないだろうと根本的に考え方を変え、地元の人が行きそうなうどん店をさがして屋島方面に車を走らせました。お昼時でそこそこ車がとまっているうどん屋さんを探そうということで入ったのがこの「うどんこ丸」という店でした。中に入ると観光客らしいのは私ぐらいで、ズバリといったところでしょうか。

ぶっかけうどん

 そして頼んだのが、冷たいぶっかけうどん(大)240円。ちくわのてんぷらが110円で、いなり寿司が160円と占めて510円でした。コシは若干なかったですが、つるっと喉越しのいいうどんで、かなり気に入りました。大盛り以上でも5玉まで追加料金も同料金だとか、麦茶も飲み放題とか、利用している地下水を言えばペットボトルに詰めてくれるとか、いかにも地元に根づいた感じで、こういう店が近所にあったら行きまくるのにと思いました。この店に限らず、このレベルのお店ならかなり多いのだと思われます。もしゴールデンウィークにうどん遍路へ行かれるのなら、ガイドブックに頼らないこういった地元民のためのお店を開拓するのも手だと思いますよ。

高野山

 これで四国を後にし、高速道路の渋滞を避けるという意味と、88ヶ所回ったお礼ということで高野山までやってきました。前日は紀ノ川の道の駅に車中泊し、ここまで辿り着いたのは8時頃にもかかわらず結構人がいました。やはり連休中は多くの人が訪れているのですね。

高野山奥の院納経所

 高野山奥の院までやってきました。ここで納経帳に最後の御朱印をいただき、これでようやく終了となりました。帰りも何とか無事で、これもしっかり回った御利益でしょうか。長い報告になりましたが、これで四国88ヶ所巡りの旅打ち止めとさせていただきます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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