今回の沖縄旅行の移動はほとんど全行程でレンタカーを利用しました。この翌日、後発隊の友人を乗せて移動したりしたものの、ほとんどが一人旅だったので1000ccクラスの車で十分でした。2泊3日の利用で、保険料・カーナビ無料という条件で1万5千円弱でした。タクシーを使うことを考えると安そうに見えますが、事故などを起こしてその損害が出た時のことなどを考えると、かなりのコストがかかる危険があります。そういうことを考えてしまう人にとってはレンタカーというのはじっくり考えてから利用するかどうか決めた方がいいと思います。ちなみに全行程で400キロぐらい走り、燃費はオートマで13キロくらい。ガソリンスタンドは指定されまして、ガソリン代が4千円弱ということで、なんやかんや言って2万円レンタカーにはつぎ込んだことになります。
さて、レンタカーのドライブに先立ちまして、朝の散歩というものに行ってきました。せっかく首里城のそばにホテルがあるのに行かないのはもってのほかということで、朝が早くて入れないながらも、とにかく首里城の近くまでには行ってこようと言うことで、ホテルから歩き出すこと10分あまり、沖縄では有名な門、守礼の門に到着しました。
これも着いてみればなんてことない門なんですが、やはり実物を目の前にすると感動があります。朝日を浴びている門をくぐり抜けると首里城への道が開けるのですが、まだ時間が早すぎて見学者は入れませんでした。ただ、遠目から首里城の全景を見るだけにとどまってしまいました。まあ、首里はまだ建設している建物も多くあり、それが完成した時にこそまた出かけてみたいなと言うことで、今回は早朝の散歩しがてらということでした。
で、車に乗ってなんと高速道路に乗ってしまいました(^^;)。というのも、どの程度時間がかかるか全くわからなかったので、とりあえず時間を稼ごうと思ったからです。那覇から終点の許田インターまで乗っても普通車は1000円ですし、渋滞もなく市内を抜けたいと言うことと、車があんまり走っていないため安全運転すれば実に走りやすいルートでした。インターを降りて名護市を抜けて、まずやってきたのが大宜味村の芭蕉布会館でした。ここは地元の保存会のようなご婦人方が造っている工場を見学するような形になっていて、残念ながら写真撮影が製造の邪魔になるとのことだったので写真は写してきませんでした。その代わり、おみやげとして花瓶の下に敷くような小さな織物を購入してきました。しかしこの布きれさえも1100円もするという。もっとも、この芭蕉布を作るための糸もかなり作るのが大変らしいのですけどね。これできものを作ったら、一体いくら請求されるのだろうかと下世話なことも考えつつ、車を走らせます。
そして、何とかたどり着いたのが、沖縄本島最北端の辺戸岬。ここには本土復帰の前にかなりの人たちが集まって集会をしたそうで、ドライブインの一室にそんな資料も残っていました。たくさんの人たちが九州方面に向かって叫んだそうですが、今はそういった情景はみじんも感じられません。これは、沖縄戦の跡に行ってきた時も同様でしたが、歴史を感じさせないと言うか、それだけこうした自然の美しさの方が勝ってしまっているというか、島内からいらしている方はともかく、私のように島の外から来ている人にとってはもう少しその歴史的な背景というものを知りたいなと言う欲求が出て来るのも確かです。はっきり言って、沖縄は日本になったことでよかったのか? 「返還」という事と同時に、アメリカはアジアに置ける軍事拠点として沖縄を位置づけたわけで、そうした流れによって、今回のアメリカの同時多発テロの影響をもろに受けているのも今の沖縄なのです。これがもし、日本からもアメリカからも独立を果たして、独自の行政を行っていたら少なくとも沖縄の今抱えている問題のいくつかは解決できているのではないでしょうか。
さてさて、那覇のホテルを朝9時頃に出て、ここまで着いたのがお昼の12時頃と3時間かかっていましたが、途中の道の駅で沖縄そばを食してきたので、ドライブインではおみやげなんかを見てましたが、おみやげは別の場所で買おうと思っていたので、ここでは別のものを買い求めることにしました。というのも、11月とはいえものすごく暑かったですし、のども渇いていたので、こんなものを注文してしまいました。
何の変哲もないかき氷ですが、値段が150円というのには驚きました。もっとも、その手前で昼食をとったところにあったドライブインでの値段は100円でしたが(^^;)。ここら辺のものの価値というのは非常に興味深くて、翌日行った本島南部の土産物屋さんでは同じかき氷が300円位してましたし、観光地化されているに従って物価も上がってくるのをしみじみ感じていました。まあ、それはどこの観光地でも同じなのかもしれませんが、特に沖縄では普通の物価はかなり安いためにその差というのが身にしみるのです。
ついでなので書いてしまいますが、沖縄でおみやげを買おうと思ったら、有名な観光地とか、空港の売店とか、観光客相手のところは避けた方が無難です。観光客のこちらから見ると二重価格ではと思えるほどの値段の変化があるし、妙に洗練されているし(^^;)。ということで、私はおみやげをホテルに帰る途中で立ち寄った普通のスーパーで購入しました。翌日になった驚いたのは、そこで購入したおかし「ちんすこうショコラ」(沖縄銘菓・ちんすこうにチョコレートがコーティングしてあって大変美味しい(^^))は袋売りで一袋300円くらいだったのが、空港にあった同じものがなぜか箱に入っていて、値段も倍になってましたから(^^;)。あと、購入したのが知り合いに頼まれた沖縄のミネラル塩ですが、これもたまたま増量セール(^^;)ということで、一袋の値段で二袋購入することができました。塩なんてと思うかもしれませんが、500グラムで1200円なんて値段が付いているのを見ると、スーパーで買っておいてよかったなと思ったりして。ちなみに私の購入金額は500グラム×2で800円弱でした。泡盛なんかもおみやげ用だったらミニボトルが500円程度で購入できますので、スーパーや地元の酒屋さんをぜひのぞいてみることをおすすめします。
沖縄本島の先端を折り返し、いよいよバスも通らない東側に入ります。ここら辺になるとあんまり観光客の姿を見かけません。たまに私のようにレンタカーに乗って回っている人たちとか、地元の人でドライブに来た人たちを見かける程度です。ガイドブックに載っているものも、観光施設ではなく自然の景勝地が多く、立ち寄ったのもそういうところです。
写真の風景は、安波群落のタイガーグムイの植物群落と呼ばれるところです。この場所は結構深いところもあるようで、地元の人のいい水遊び場になっているようです。手前の女性達は今回の旅とは全然関係ありません(^^;)。滝の方にいる非番の(?)米兵たち(あるいは息子)と一緒に遊びに来ている地元の人のようでした。ここだけ見ると雄大な景色だけが目に付きますが、ここまで来るのには、ほんと大変だっんです。入り口に車を停めると、下に降りていくのですが、土が沖縄特有の赤土で滑りやすく、しかも現場にはロープが張ってあって、それを伝って30メートルくらい決死の覚悟で降りて行かなくてはなりません。私は写真を撮るために二台のカメラを持っていったので、さらに決死の覚悟になってしまいました(^^;)。行きは下り、帰りは登りになる訳ですが、やはり下りの方が恐怖です。下手をして滑ると大けがする危険もありますし、赤土がところどころに付いてしまったりしますので、出かける時はできるだけ汚れてもいい服装と、滑りにくい靴を用意しましょう。
こうして、沖縄の自然というものを満喫したドライブだったのですが、一つ心残りが。それは、沖縄の自然に息づいている動物を見ていないことです。行程の途中にドライバーに注意を喚起するこんな看板がありました(^^)。
本島ではないですが、ここよりもさらに自然が豊かな西表島では、イリオモテヤマネコが車に轢かれる被害が相次いでいるようです。残念ながらこの旅では道路を横切るカニにもカメにも遭遇しませんでしたが、自然を守って安全運転を心がけたいものです。
そして、最後の最後にこんなカニを観察することができました。東村にある国の天然記念物、慶佐次湾のヒルギ林です。マングローブというのは種の呼び名ではないということなのですが、水の中に根を張って生きる植物の存在は、様々な生き物を呼び寄せます。林の脇には観察道があって、そこに生きる動物を見ることができるのですが、特に無数のカニの穴があってこのような左右どちらかのはさみが大きいカニ、俗に言うシオマネキの姿を見ることができました。でも、これをカメラに納めるのが非常に大変でした。観察道から降りていく場所もあるにはあるのですが、厳しい自然環境で生きている動物なのですから、私のような大きい動物の気配をすぐに察知してしまうようで、降りていっただけですぐにカニの穴に入ってしまいます(^^;)。で、木道の下から気配を殺すようにして、ゆっくりとカメラを構え、思いっきりズームを当ててとったのがこの写真です。デジカメでも光学ズームでないデジタルズームだけだし、こういう場面に出くわすと新しいデジカメが欲しくなってしまいますよね。でも、これくらい撮れればいいかとも思ったり(^^)。その後、周辺で雨が降り出したので(でもすぐに晴れたんですが)車に戻ってあとは一目散にホテルへ。途中、おみやげを購入しにスーパーにより、併設するステーキハウスで格安ステーキを食べて、ホテルにお金を落としていないと言う。ほぼドライブにかかった時間は12時間ということで、夜には出歩かずにゆっくりとホテルで過ごしたことは言うまでもありません。
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