能登へ

 

工程図

 2001年のゴールデンウィークはどこへ行こうかと思ったとき、つい「こんなところまで行けたらいいのになあ」と思ってしまうことはよくあることです。でも、この地図を見ていただければおわかりの通り、この日程を、それも一日でこなすというのはばかげています(^^;)。でも、結果としてやってしまったのですねえ。というわけで、これからはその様子を写真日記風につづっていきたいと思います。ちなみに今回の旅の全走行距離は1200キロでした。


今回利用したワゴンR 今回の旅を考えるにあたって、かなりハードな旅になることが想像できたので、普段使っている小型の軽自動車でなく、割と広めで背も高い、スズキのワゴンRを利用することにしました。通常利用している変速もオートマであるということから、長いドライブでもそれほど疲れることなく、しかも燃費もいい。今回の燃費は18.8km/h程度は出ていました。

 さて、出発したのは5月3日の午前8時過ぎとそんなに早くはありません。一応帰ってくるのは5日ごろと決めて、眠くなったら車中泊でということを考えていましたし、急ぐ旅ではありませんでしたしね。むしろ問題はこのルートだと、ほとんど高速に乗れないし、乗っても仕方がないということでしょう。山梨県に入り、韮崎に中央自動車道のインターがありますが、長野へ直行する場合はそれでいいものの、その前に小諸によっていく用事があったので韮崎を通り過ぎ、白樺湖方面へとルートを取ったのでした。その前、ちょっと寄り道をして、小淵沢駅で小休止。駅弁が有名な小淵沢ということで、今一番人気の『元気甲斐』は今回はパスして、それ以前から有名駅弁として知られていた『高原野菜とカツの弁当』を購入。ここに入っているカツは、鶏肉のカツで、あとは高原の野菜がたくさん入っているという非常にヘルシーなもの。話は前後しますが、小淵沢の手前の北巨摩郡長坂町というところで興味深い現象を見ました。

霧たちのぼる こういう高原で野菜が栽培されているのでしょうが、地面から立ち上がる霧に注目してしまいました。前の日にはこちらの方も雨だったのですが、翌日はからりと晴れました。で、地面に降った雨が太陽の熱で蒸発して霧になってたちのぼっていたのでした。こういう光景は畑とか田圃とか、いろんな場所で目撃されましたが、この光景が一番きれいでした。

 今年の季節はなぜか肌寒さが残り、この写真を撮ったところでも13度ぐらいと例年に比べるとかなり寒い感じがしました。諏訪湖の方は結構渋滞が出そうなので、白樺湖の方へと車を進めたところ、山が白くなっているのに気が付きました。確かに静岡は雨だったけど、この時期に雪が降ることはないよねえと思いつつ運転していたのですが、白樺湖へ向かって行くにつれてだんだん雪が周りに出現するのですね。後で聞いたところによると、白樺湖への道路は夜には通行止めになっていたそうです。夜のニュースでも大きな扱いでやっていましたから、地元としても珍しいことだったのですね。つまり雪は降っていたのです。そのあまりの雪の量に、これが本当に5月のゴールデンウィークなのかまさに絶句してしまったのでした。

雪の白樺湖 標高が1400メートルということもあるのかもしれませんが、こんな状態でした。かなり足元がぬかるんでいて、この石碑の近くまでは歩いていこうとは思いませんでしたが、周りの人たちは季節はずれの雪に喜んでいるようでした。ここで雪を見ながら昼食を取り、改めて車を進めます。ここから小諸までは割とすぐなので、現地にいる友人と連絡を取ります。

 実を言うと、この時点では能登まで行けるとは思っていませんでした(^^)。一人で勝手にどんどん行けるなら行程も消化できますが、途中で人と合流すると言うことになるとある程度の時間拘束されることは覚悟しなければなりません。で、とりあえず小諸にやってきて携帯電話やメールで連絡を取り合った結果、合流するのは翌日の夜にしようということになりました。それがはっきりしたのが午後4時頃。静岡を出発してからすでに8時間が経過しています。改めて上の地図を見ていただければわかると思いますが、まだ半分しか来ていないのですね(^^;)。

 まあ、それでも行こうということで長野から白馬を通って日本海側の糸魚川に出ることにしました。途中夕食を取り、糸魚川を抜け、親不知に入ったのが午後9時前。しかし後のことを考えていてもしょうがないので、とにかく国道8号線を西に進みます。

この時間になるともはや高速道路も国道もほとんど変わらないといった感じで、バイパスも完備されていたので夜の国道を進むことにしました。富山に入り、ようやく能登半島の付け根に辿り着いたのが午後10時頃。本当は海岸線を見ながらいいドライブコースであるはずなのに、真っ暗で何も見えません。しかし、どうしてもこの道は帰りにも通らなければならないので、景色は帰りに見ようということでさらに先を目指します。氷見に入って輪島への距離が102キロと出たときにはさすがにへこみましたけど(^^;)。

車内部 で、何とか輪島に辿り着きまして、今回目的にしていた輪島市郊外の千枚田に着いたのがもはや12時を回っていました(^^;)。でも、車の中ではセッティングをすればすぐに寝ることができますし、左の写真の通りシートをフルフラットにすることができるので、少々安定しないカプセルホテルという感じで結構快適に過ごせました。その後、帰りにももう一泊車の中で過ごしたのですが、この環境ならまだまだ行けると思います。本当は車を改造してベッドを取り付けるとかするともっと機動力のある移動ホテルが完成するのですが。

 ただ問題もあります。やはり路上駐車とか駐車場とかは、深夜にやってくる他の車が怖いということです。ただ、この時期はゴールデンウィークのため、暴走族が入れる隙間がないほどキャンピングカーや私のようなワンボックスカーが大量に駐車しています。この時期は気候も暑すぎず寒すぎずということで、車中泊をしながら移動するというのにはいい時期ではあります。どうしても一般道では車を止めて寝たくないような場合は、高速道路のサービスエリアを利用する手があります。寝るときだけ高速道路に乗り、宿泊場所を確保するというわけ。しかし、場所取り競争は高速道路では特に熾烈です。長距離トラックの列に阻まれてなかなか場所が確保できないという可能性もありますので、早い時間から場所を確保しないといけません。サービスエリアにはトイレも完備されているし、お湯やお茶のサービスも24時間利用できますし、割とお勧めです。モーニングコーヒーを飲みたいという場合も、お湯はあるのでコーヒーの用意をしていきさえすればいいということですから。

千枚田 で、苦労してようやく着いて、その光景に感動した『千枚田』です。最近ではこの田圃を維持するのが難しく、何らかの方策が必要だという新聞記事を見ましたが、今年もちゃんと田植えをしているところでした。残念だったのが、この日は朝から曇っていて、ご来光も拝めなかったし、朝日に光る田圃の姿を写真に捉えられなかったということです。その後、輪島市内に入り、有名な輪島朝市を見てきました。さすがに海産物は買う気にはならず、塗り箸を購入してきたぐらい。でも、たとえ輪島に泊まったにしても朝早く起きることができるだろうかという問題もあり、今回の強行軍もなかなか悪いものではないなと思ったのでした。

 そんなわけで、思い立って出かけてしまった今回の旅でしたが、未知の場所を走るというのはなかなか魅力的で、機会があったら別の場所にでも出かけてみたいと思ったりもします。でも、土日にめいっぱいというのではやはり体力が持ちませんから(^^;)、連休になる場合にまた考えつつ出かけてみたいなとは思っているのですが。(2001.5.7)


 

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