2008伊勢弾丸ツアー

 

内宮鳥居の間からのぞく初日の出

 年末年始やゴールデンウィークなど、多くの方々が事前に宿泊や交通機関を予約して出掛ける計画を立てられると思います。行く先々の予定が決まっていることは実に頼もしいことですが、それだと現地での自由度が制限される場合もあります。それもありますが、予約自体が難しいということもあり、できることならば急にできた時間を有効に使ってどこかに行きたいと考える方もいらっしゃることでしょう。私の場合は極力事前に予約することなしにいろんなところに出掛けたいということで、今回初詣に無謀にも三重県の伊勢神宮を選びました。私のいる静岡市からならそれほど時間もかからずに行けるということで、車を利用し夜中に出発するという日程にしました。こんな無謀な計画が実行できたのも、三重県伊勢市で正月に行なわれている交通規制の仕組みのおかげでした。今回は伊勢神宮の内宮から少し離れた県営の施設に車を停め、駐車料金1,000円を払うかわりに内宮のまん前まで行くシャトルバスに無料で乗車できる「パーク&バスライド」を利用させていただきました。ここでは、その行程および当日の様子などを紹介させていただこうと思います。

シャトルバスのりば

 高速道路に乗り伊勢神宮を目指すわけですが、通常は伊勢西ICか伊勢ICを利用すべきところ、正月期間はそのどちらのインターチェンジも閉鎖され、普通の車はインターから出られなくなっています。伊勢IC終点の料金所をそのまま直進し、しばらく自動車専用道路を走ると、県営サンアリーナ駐車場臨時出口に誘導され、そこから初詣用の駐車場に誘導されます。多くの誘導員がいるので、指示に従って現金で1,000円を払うと、駐車票と初詣のステッカーがもらえます。私の場合午前2時過ぎに出発して午前6時頃に到着しました。写真はその時のシャトルバスのものです。乗り場は複数ありますので、自分が乗ったバス乗り場の番号をちゃんと控えておかないと、自分の車のある場所がわからなくなりかねませんのでご注意を。

内宮入口

 バスの発着所は正面の人がいるところの向こうがわすぐにあります。時間的に年初のピークを越えたくらいだったので参道にいる人はまばらでしたが、なぜ内宮入口の鳥居の前に人があんなに待っているのか最初はわかりませんでした。実はこれ、もうしばらくして山から昇ってくる初日の出を待つ人たちだったのでした。最初の写真のように鳥居の間から日が出てくる瞬間をカメラに収めようとかなり前から気合いを入れて待っている人たちが多くいました。

ガラガラの石段

 この石段の向こうにあるのが一般人が最も神殿に近づける場所です。途中警備の人がうるさく、写真もこの位置からしか撮らせてくれなかったのでこんな写真しか撮れませんでした。それにしても、これだけ空いているというのも時間帯によってはありなのですね。前回詣でた時は近鉄特急利用で、午前0時に限りなく近かったので、この石段を登り切るまでに渋滞していてイライラしながら待ったことを考えると、時間が調節できる車での詣でというメリットを生かしたとも言えるかも知れません。

初日の出の瞬間

 初詣自体はそれほど時間がかからず、帰ってきたもののまだ内宮入口の人はそのまま待っていました。時刻は7時半くらいだったでしょうか。だいたい日の出は7時前後なのですが、お日様が山から顔を出すまでにはまだ時間があるようだったので人垣の最後尾へと移動し、こちらも決定的な瞬間をとらえようとひたすら待ちました。で、だいたい7時40分前後だったでしょうか。山から出たお日様がちょうどうまい具合に内宮入口の鳥居の間から見えるのですね。これを見るために多くの人が待ったというのもこの壮大な景色を見れば納得です。

牛肉専門の「豚捨」

 初詣を終え、一応境内で甘酒の接待を受けたものの(ちなみにお神酒でない甘酒にはアルコールは入っていません)、小腹が空いたので、参道にある「おかげ横丁」へと入っていきました。500円前後で伊勢うどんも食べられましたが、とてもそれだけの炭水化物を胃が受け付けてくれそうになかったので、伊勢牛を扱う老舗の「豚捨」というお店で牛肉コロッケ(1個80円)を食すことに。元旦の営業ではコロッケしかやっていなくて、特製の牛丼や食事ができなくて残念でしたが、そもそも元旦に行くこと自体に無理があるわけで、ぜひまたゆっくりと食事を楽しみたいものです。松坂牛もいいですが、伊勢牛もなかなかのものです。安くおいしい牛肉のエッセンスだけでも楽しみたい方には、歩きながらソースを付けて食べるコロッケでもそこそこ楽しめると思います。

赤福休業中

 伊勢神宮周辺で老舗といえば、この「赤福」というのは異論のないところでしょう。昨年起こったあんこの使い回しなど偽装表示の影響で2008年の営業もごらんの通りしていませんでした。本来なら参拝客でごった返しているはずだったのでしょうが、偽装表示のツケはそれだけ大きかったということでしょう。以前出掛けた時にはこの本店内でお茶を飲みながら赤福をいただいたのですが、また同じように安心していただけるようになってほしいものです。

御福餅は買えました

 赤福と同様に偽装表示の問題で発売中止になった「御福餅」ですが、こちらの方は品物もちゃんとあり、お土産として買っている人も多くいました。ちなみに私は、あえて買ってまで食べようとは思わなかったので写真だけ撮ってきました。

 一通り参道を回ってから駐車場に戻り、有料道路をそのまま直進し、鳥羽まで(普通車200円)やってきました。そこで少しばかり観光をした後、帰りのルートとして選んだのが鳥羽〜伊良湖を結ぶ伊勢湾フェリーでした。ただ気がかりだったのは正月にどれくらい混んでいるかということと、天候との関係です。2007年の大晦日は全国的に大荒れの天気で、フェリーも強風のため全便欠航になっていましたから。幸いなことに運行自体は通常通り行なわれているようでした。フェリー乗り場へ着いたのは11時過ぎで、次便の11時20分発にそのまま乗れるとのこと。考えてみれば、正月1日から伊勢を離れる人というのは(しかも午前中に)そんなにいないということなのですね。車検証を持ってきっぷ売り場に行き、3〜4メートル未満の料金5,910円を支払います。ちなみに、伊勢から浜松までの高速料金は割引なし時間帯の場合は4,650円(軽自動車の場合)ですが、伊勢〜浜松225キロを走るガソリン代も含めて考えると、ほとんど渋滞とは無縁で、しかも運転せず休めるフェリー利用はベストの選択だったと言えるでしょう。伊良湖から浜松を経由して静岡までバイパスを利用して到着したのはまだ日が出ているうちでした。最後は相当疲れましたが、渋滞にも巻き込まれず走ってこれたのは上出来でした。雪の影響もほとんどない場所を選んで走ってきたという事もありましたが、ある程度の計画のみでこれだけうまく回れたというのは、年の始めから縁起がいいということでしょうか。今回の行程はたまたまだったのかも知れませんが、同様に車での初詣を計画されている方にとっては多少の参考になったのではないかと思います。渋滞をうまく避けることさえできれば、車での遠出というのもそれほど苦になりませんので、試してみる価値はあるかも知れませんよ。(2008.1.3)


 

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