普通グリーン車で日光へ

 

 今回利用したきっぷ

 

  今回の旅というのは、実のところどうしても行きたいというものではありませんでした。青春18きっぷを有効利用するためにどうするかといった事を考えた時、18切符を使って普通列車のグリーン車に乗りまくろうとふと思ってしまったからです。

 以前は青春18きっぷで特急・急行はもちろんのこと、普通車のグリーン車にも乗ることはできませんでした。しかしそれが、普通車に限りグリーン券を購入すればグリーン車への乗車が可になったのです。しかも私の住んでいる静岡県内では沼津から東京を経由して高崎や千葉方面、宇都宮方面であっても都中下車しなければ格安の料金でグリーン車に乗れるようになりました。平日はビジネス需要があって若干高めですが、土日・休日のグリーン乗金は関東のエリア内なら51キロ以上750円です。つまり、片道750円、往復1,500円を青春18キップと一緒に使えば、安く快適に旅ができるということになります。

 それで、いろいろ考えたのですが、パターン的に面白いのは高崎でも千葉でもなく、宇都宮で餃子を食し、ちょっと足を伸ばして日光で東照宮へ行くというのがひらめきました。日帰りの旅ではありますが、実にゆったりのんびりした今回の旅の方法は、もっと多くの人に知られるべきではないかとすら思います。


 

誰もいないグリーン車内 今回は日帰りの旅とするために、静岡発5時30分という列車を利用して沼津に向かいます。静岡発ということで仕方のないところなのですが、これで沼津まで行ってしまえばあとは宇都宮までずっとグリーン車の旅が待っています。沼津での待ち合わせは1分でしたが、降りて向いのホームでしたので全く問題なくグリーン車に乗ることができました。グリーン料金の750円というのは車内ではなく駅でチケットを買う場合で、その際もしっかり行き先を言って写真のようなチケットを発券してもらう必要があります。とりあえず東京方面でということになると、チケットを買い足すような事になる可能性もありますので注意しましょう。沼津からしばらく車両の中はずっと一人で(^^;)、車内販売も回ってきたので、缶のコーヒーを購入しました。コーヒーは130円とかなり良心的です。やはり込みだすのはいわゆる通勤範囲に入ってからです。私は大船で乗り換えてしまったのでその後のことはわかりませんが、多くの人は携帯電話やSuicaカードを座席上部にかざして、検札を省略していました。私はほとんどこうした列車に乗る機会がありませんから駅でグリーン券を購入しましたが、グリーン車は一回使うと病みつきになります。テーブルも出てシートも広く、実はこの文章も帰りの車内で打っているのです。

 日光ではとにかく東照宮の陽明門を見ようと思い、希望が叶いました。おみやげとして湯波(日光では湯葉ではなく「湯波」というのだそうです)を購入。お刺身の湯波は現地で買うからこそのものがあります。またこのお店では店頭で豆乳を販売していまして、東照宮参拝で疲れ気味の体にはとても力になりました。味としては豆腐の味なのですが、冷たくてみずみずしい喉ごしは記憶に残る味です。写真は撮ってきましたが、今回紹介している旅の形態とはあまり関係がないので、観光関連の写真は割愛します(^^;)。




「みんみん」の焼餃子と水餃子 改めて宇都宮では名物の餃子を食することに。以前宇都宮在住の方に有名店に連れていってもらったことはありましたが、今回は時間がなかったので、駅ビルに入っている有名店「みんみん」の支店で食し、おみやげもゲットしました。焼餃子・水餃子にご版のセットで540円というのはやはり安いしおいしいです。四国のうどんもそうですが、うまくて安いから人気があるのですね。かくいう静岡も宇都宮に匹敵する餃子消費量を誇るのですが、宇都宮のように気軽に食べられる安い店はありません。だからこそ観光客だけでなく地元の方たちも食べようと押しかけ、行列になってしまうのでしょう。

 目的だった餃子も食べたし、あとは一直線に帰るだけだったのですが、今回東照宮の参拝を早めに切り上げてきて大正解でした。私が乗った湘南新宿ラインを含む、宇都宮線・高崎線・京浜東北線が与野駅の人身事故のためストップしてしまい、かなりの遅れになったということが後でわかりました。東海道線もそのあおりのためか遅れているようでしたが、ちょうど私の接続の列車は定刻に到着したのでした。まあ、できるだけぎりぎりにならないように余裕を持った計画を作っていたのですが、できればすんなりと帰りたいものです。今回はたまたま事故前に現場を通過できたということですが、18キップでの旅行の場合、こうした遅れて帰れなくなったとしても補償は受けられないということも注意する必要があるでしょう。その場で臨機応変に行程を変えられるだけの余裕が必要だとしみじみ感じました。そして、やはり荷物が許すなら、大きな時刻表というのは頼りになりますね。インターネット上でも乗り換え案内や時刻表はありますけど、小さい画面ではどうしても見落としてしまうことも出てきます。大きいのが持てない人はせめて部分のコピーだけでも持っていけば、いざという時には役に立つのではないかと思います。

 熱海までグリーン車に乗り、そこから普通列車で移動しましたが、さすがにグリーン車に慣れた体にはかなりきついものがあります(^^;)。普通列車に乗るのは熱海〜三島間のみとし、三島から静岡までは特急型車両の回送という名目で乗車整理券310円を出せば乗れる「ホームライナー静岡号」に乗ることにしました。これに乗れれば、静岡着は21時16分とかなり余裕がある行程になります。こちらはグリーン車よりも若干シートの幅が狭いものの、ちゃんとした足乗せがあり、窓も広く、なかなか快適な列車です。結局のところ、普通列車の騒々しさを感じたのは行きの静岡〜沼津間、日光線上下と、帰りの熱海〜三島間だけだったのでした。これで追加料金1,810円は安いものです。今回はグリーン券エリア最大になるような行程にしたのでなおさらですが、ちょっとのんびり旅をしたくなったら、別に用がなくても東海道線の沼津から高崎・宇都宮・千葉方面へと電車に乗るというのは実にいいものだとしみじみ感じています。特に18キップの期間中はちょっと豪華な日帰りの旅というのはいかがでしょうか。(2006.9.3)

 


 

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